
「Google検索広告(リスティング広告)を自校で運用しているが、資料請求がなかなか増えない」「キーワードを見直し、広告文も工夫してみたが、効果が出ているのか分からない」「予算を増やしたほうが良いのか、判断できない」。学校の広告を自社で運用している担当者の方から、こうした相談をよくいただきます。
結論から言うと、適正なCPAで資料請求を増やすには、①数字(効果)の計測、②指名キーワードと一般キーワードの比較、③一般キーワードの絞り込みと除外、④訴求ごとの数字の見直し、⑤広告文の見直しの順番で見直し、予算は最後に動かすと、スムーズに進みやすくなります。予算を増やすと資料請求は増えますが、1件あたりの広告費(CPA)も高くなるためです。
本記事では、弊社が運用した専門学校・大学などの広告265件のうち、Google検索広告ありの174件の実績をもとに、自校の数字と比べる基準、見直しの順番、予算を増やしたときの変化を解説します。資料請求が成果の中心だった大学の14か月分の数字をはじめ、検索広告の見直しで結果が変わった3つの学校・塾の事例も紹介します。
先に結論:適正なCPAで資料請求を増やすには、数字の計測 → 指名と一般 → 絞り込みと除外 → 訴求 → 広告文 → 予算の順に見直す
- 成果1件あたりの広告費(CPA)の中央値は、Google検索広告ありの案件で約1.0万円、Google検索広告だけの案件で約0.7万円です。まずは自校の数字がこの前後にあるかを見てください
- 獲得が急に減ったときは、広告に触る前に、広告の管理画面の成果の数が、学校で受け付けた件数とずれていないかを確認します
- 指名キーワード(学校名を含む検索)と一般キーワード(学科名・地域・目的の語を使う検索)は、数字を別々に見ます。一般キーワードは、探している条件を入れて絞ると、獲得の出るキーワードが見つかりやすくなります
- 訴求(学べる内容や資格など)ごとに分けて見ると、資料請求につながりやすい魅力が分かります。獲得単価に約2倍の差が出た例もあります
- 広告文には、資料請求や出願など、次の行動を促す短いフレーズを入れます
- 予算を増やすと、資料請求は増えますが、1件あたりの広告費も高くなります。増やす前に、検索語句の見直しを先に行います
「検索語句の見直しや計測の整備まで手が回らない」「自校の数字がこの基準と比べてどうか見てほしい」という場合は、弊社にお問い合わせください。現在の配信の数字を一緒に確認しながら、見直す順番をご提案します。
集計の方法
- 対象:弊社が運用した教育分野(専門学校・大学・塾など)の広告265件(2025〜2026年が中心)。学校ごと・月ごとの運用実績の報告1件を1件と数え、同じ学校が複数の月で入っています
- 検索広告の件数:265件のうち、Google検索広告ありの配信が174件で、そのうち、成果が1件以上あり、CPAを計算できたのは162件です
- 成果(CV)の数え方:案件ごとに成果とした件数です。資料請求のほか、オープンキャンパス申込、問い合わせ、LINEや電話のタップなどがあります。「資料請求1件あたり」は、広告費を資料請求の件数だけで割ったものです
- 基準の数字:教育分野の213件の中央値(約1.1万円)と、クリック率・クリック単価(24案件)は、TikTok広告の記事と同じ数字です。この記事は、Google検索広告ありの案件に絞った数字も使います
- 時期別・訴求別などの細かい比較は件数が少ないため、参考値です。学校名などはぼかし、本文では「A大学」「B専門学校」「C塾」と呼びます
自校の検索広告は、効果が出ているのか?|弊社の教育案件の基準と比べる
成果1件あたりの広告費:Google検索広告ありの案件の中央値は約1.0万円
教育分野で成果が1件以上あった213件の中央値は約1.1万円です。このうち、Google検索広告ありの案件(162件)に絞ると、中央値は約1.0万円、真ん中の半数は約0.5〜2.1万円でした。Google検索広告だけの案件(CPAを計算できた40件)は、約0.7万円です。これを、媒体の組み合わせ別に並べると、次のとおりです。
教育分野のCPA比較:媒体の組み合わせ別
| 配信の種類(すべて教育分野) | 件数 | CPA(成果1件あたりの広告費)の中央値 |
|---|---|---|
| 教育分野全体(全媒体) | 213件 | 約1.1万円 |
| Google検索広告あり(併用含む) | 162件 | 約1.0万円 |
| Google検索広告だけ | 40件 | 約0.7万円 |
※件数は、いずれもCPAを計算できた案件(成果が1件以上あった案件)です。成果の数え方は案件で違います。
表のとおり、Google検索広告だけの案件がいちばん安く見えますが、検索広告には、ほかの媒体で学校を知った人を受け止める役割もあるため、この表の数字だけで「Google検索広告だけがいちばん良い」とは言い切れません。媒体ごとの役割と、媒体の組み合わせ別の数字は、TikTok広告は学生募集に効く?Instagramと比べた実績で解説しています。この記事では、Google検索広告のなかで、どこを見直すと資料請求が増えるかを説明します。
Instagram・Facebookを含む広告のCPAと、住宅のCPAとの比べ方は、Instagram広告のCPAの目安は?住宅・教育の実績で解説で解説しています。
クリック率・クリック単価・クリックからの獲得率の目安
弊社が運用した教育分野の案件のうち、Google検索広告の広告費とクリック数を媒体別に記録している24案件で、クリック率とクリック単価(中央値)を出しました。
| Google検索広告のクリックの目安(教育分野・中央値) | ||
|---|---|---|
| クリック率 | 約18.8% | 広告が表示された100回のうち、約19回クリックされている計算です。Instagram広告のクリック率(約0.2%)と比べて、桁違いに高い数字です。 |
| クリック単価 | 約272円 | 1クリックあたりの広告費です。真ん中の半数は143〜337円でした。 |
| クリックからの 獲得率 | 約3.1% | 獲得数÷クリック数です。100回のクリックで、約3件の獲得がひとつの目安になります。真ん中の半数は2.2〜4.2%でした。 |
※クリック率とクリック単価は、TikTok広告の記事と同じ24案件の数字です。クリックからの獲得率は、Google検索広告だけで配信し、獲得数とクリック数を記録している40件の数字で、参考値です。
現場の見立て
InstagramやTikTokなどで学校を知った人が、あとで学校名を検索してクリックするパターンもあるため、Google検索広告のクリック率は高く出やすいと見ています。ただし、クリック率が高いことと、獲得が増えることは別です。自校のクリックからの獲得率を、弊社の数字(約3.1%)と比べて、クリックが多いのに獲得率が低いときは、【手順1】で、遷移先のページとフォームを確認します。
適正なCPAで成果を増やすには?|見直しはこの順番で進める
成果が増えないとき、予算を増やす前に、私たちはまず、次の順番で運用の内容を見直します。
- 計測と、遷移先・フォームを確認する(フォームの作り直しや、ページのURL・入力項目の変更で、成果の数がずれていないか)
- 指名キーワード(学校名を含む検索)と、一般キーワード(学校名を含まない検索)を分けて数字を見る
- 一般キーワードの中身を整える(探している条件を入れて絞り、関連の薄い検索語句を除外する)
- 訴求ごとに分けて見る
- 広告文に、次の行動を促す短いフレーズを入れる
まず上記の手順で計測と検索の中身を確認し、予算は最後に動かします。広告のどこを直すかは、数字の動きから決まるため、順番を決めておくと、直した効果を確かめやすくなります。
【手順1】成果の計測と、遷移先・フォームをあらためて確認する
資料請求が急に減ったときは、広告の設定を触る前に、まず成果の計測に問題がないかを確認します。資料請求のフォームを作り直したり、ページのURLや入力項目を変えたりすると、広告の管理画面での成果のカウントに影響が出ることがあります。フォームやページを変更したときは、そのたびに確認してください。
東京都のA大学では、2025年12月に申込フォームを変更したところ、獲得単価が高く出ました。その経過を、時間の順に見ます。
A大学の経過
2025年11月
申込フォームを変更する前。計測は問題なし。
獲得単価:約4,200円(比べる基準)
2025年12月
申込フォームを変更。その影響で、一部の成果が広告の管理画面に記録されない状態になった。
獲得単価:約5,800円に上がった
2026年1月(上旬まで)
一部の計測箇所で、成果を計測できない状態が続いた。
獲得単価:約6,100円
このように、獲得単価が急に高くなったときは、広告を変える前に、まず計測を確認してください。
確認するのは、次の2点です。
- 成果の数の照合:広告の管理画面の成果の数と、学校で受け付けた資料請求の数が、おおむね合っていればOK。合っていないときは、広告の設定ではなく、フォームのタグや遷移先のページの変更を先に確認します
- 変更日の記録:フォームやページを変更した日を、広告の運用メモに残してあればOK。数字が動いた日と並べると、計測のずれの原因を切り分けられます
計測に問題がないのに、クリックが多くて獲得が少ないときは、広告のリンク先が資料請求のフォームになっているか、フォームの入力項目が必要なものだけになっているかを確認します。
申込の完了を成果として数える設定(申込完了ページの計測)は、オープンキャンパスの集客を広告で増やすコツ【実績70件以上】の「申込フォームを見直す」の節で解説しています。
【手順2】指名キーワードと一般キーワードを分けて数字を見る
検索広告のキーワードは、大きく2種類に分けられます。この2つは、検索した人が学校を知っているかどうかの違いがあるため、数字も別々に見ます。
| 指名キーワード | |
|---|---|
| どんな検索か | 学校名を直接入れて調べる検索 |
| 検索の例 | 「〇〇大学」「〇〇大学 口コミ」「〇〇専門学校 オープンキャンパス」 |
| 検索する人 | すでに学校を知っている人 |
| 一般キーワード | |
|---|---|
| どんな検索か | 学校名は入れず、学びたい内容・資格・地域などの語を組み合わせて調べる検索 |
| 検索の例 | 「〈学科名〉 専門学校 〈地域〉」「〈資格名〉 通信 大学」 |
| 検索する人 | 学校を知らない人や、学校を比べている人を含む |
B専門学校(大阪府の専門学校)の検索広告は、獲得の中心が指名キーワードでしたが、一般キーワードからも獲得がありました。2025年9月、学科名と地域を組み合わせたある一般キーワードは、獲得単価が約1,570円と、検索広告全体(約5,170円)の約3分の1でした。クリック単価は約380円と、全体(約270円)より高かったものの、クリックから獲得に結びつく割合が約24%と高かったためです(全体は約5.1%)。
続いて、A大学の例です。A大学は、2025年9〜10月は指名キーワードも配信し、2025年12月から一般キーワードのみに切り替えました(2025年5〜8月の指名キーワードの有無は、レポートに記載がありません)。一般キーワードのみで配信した2026年と、前年の同じ月の獲得単価を並べます。
| 月 | 獲得単価(上:2025年、下:2026年・一般キーワードのみ) |
|---|---|
| 5月 | 2025年約3,700円 2026年約4,200円 |
| 6月 | 2025年約3,200円 2026年約7,100円 |
| 7月 | 2025年約5,200円 2026年約7,700円 |
| 8月 | 2025年約4,700円 2026年約6,400円 |
※A大学の獲得単価(Google検索広告のみ)。2025年8月の数字は、2026年8月のレポートに書かれた前年の数字です。訴求などの条件も変わっているため、指名キーワードの有無だけで差が出たとは言えません。参考値です。
4か月とも、2026年のほうが獲得単価は高くなっています。指名キーワードでの配信は、すでに学校を知っている人を、低い単価で取りやすい傾向があると見ています。対して、一般キーワードでの配信は、全体では単価が高くなりやすいものの、まだ学校を知らない人に会えます。それぞれに、役割の違いがあります。
現場の見立て①:使い分けの基本
この役割の違いから、私たちは、指名キーワードで申込を取りこぼさないようにしつつ、一般キーワードで新しい人との接点を増やす形を、基本にしています。
現場の見立て②:指名キーワードを止めるかどうか
学校名で検索した人は、広告を出していなくても、検索結果に表示される公式サイト(広告ではない通常の検索結果で、オーガニック検索結果といいます)から申し込める人です。そのため、指名キーワードの獲得には、広告がなくても申し込んでいた人が含まれている可能性があり、広告の効果だけで増えたとは限りません。
だからこそ、広告の件数だけで指名キーワードを止めるかを決めず、次の2点を確認してください。
- 止めたあとも、公式サイトからの資料請求が減っていなければOK。減るようなら、指名キーワードは残します
- ほかの学校の広告が、自校名の検索で表示されていなければOK。表示されているなら、指名キーワードは残しておくほうが安全です
※出典:Google 広告ヘルプ「オーガニック検索結果」 URL:https://support.google.com/google-ads/answer/6054492?hl=ja(2026年10月時点)
まずは、自校の検索広告のキーワードを、指名と一般に分けて、獲得単価を並べてみてください。
【手順3】一般キーワードの中身を整える:条件を入れて絞り、関連の薄い語句を除外する
前の手順で、指名と一般の数字を分けて見たあとは、一般キーワードの中身を整えます。一般キーワードは、広く取るほどクリックは増えますが、獲得につながるとは限りません。獲得につながらない部分を減らすために、次の2つを行います。
- 探している条件(学科名・地域など)を入れて、絞る
- 関連の薄い検索語句を、除外する
1つ目:探している条件を入れて、絞る
学科名や地域など、探している条件を入れたキーワードに絞ると、検索した人の目的に合った広告になり、獲得につながりやすくなります。岩手県の個別指導塾であるC塾の、2025年4月の数字で、その違いを確かめます。同じ月に、単語1語のキーワードと、地域名を足したキーワードの獲得単価を比べると、次のとおりでした。
| C塾の獲得単価(2025年4月) | |
|---|---|
| キーワード | 獲得単価 |
| 単語1語のキーワード(例:個別指導) | 約1.5万円 |
| 地域名を足したキーワード(例:個別指導 〈市名〉) | 約2,100円 |
同じ月でも、地域名を足したキーワードのほうが、獲得単価は低くなりました。絞るときは、次の2点を確認します。
- キーワードごとの確認:費用と獲得を、キーワードごとに並べて見られる状態になっていればOK。クリックが一定数あるのに獲得が0のキーワードは、入札を下げるか、止めることを検討します
- 探している条件の確認:「学科名+地域」「資格名+通信」など、探している条件が2つ以上入ったキーワードを持っていればOK。1語だけの広い語は、獲得単価が高くなりやすいと見ています
2つ目:関連の薄い検索語句を、除外する
検索広告では、登録したキーワードと、実際に検索された検索語句が、一致するとは限りません。Google広告では、特に設定しないと、登録したキーワードに関連する検索にも広告が表示されます。これを「インテントマッチ」と呼び、いちばん幅の広いマッチタイプで、標準の設定になっています(2026年10月時点)。
たとえば、「〈資格名〉 通信 大学」と登録すると、「〈資格名〉 取り方」のような関連する検索のほかに、「〈資格名〉 求人」のように、学校選びとは関係の薄い検索にも広告が表示されてしまうことがあります。こうした関連性の薄い語句は、クリックされても資料請求につながりにくく、広告費だけがかかってしまうため、除外キーワード(広告を表示させない語句として登録するもの)に追加します。
私たちは、検索語句の一覧を確認し、学校と関係のない語句や、獲得に結びつかない語句を、随時、除外キーワードに追加しています。ただし、除外キーワードを増やしすぎると、広告が表示される機会そのものが減るおそれがあるため、関連の薄さを見極めて追加します。
とくに、予算が大きいときや、募集の時期は、広告の表示回数や検索そのものが増えて、検索語句が早く増えます。こうしたときは、確認する間隔を短くして、こまめにチェックします。自校で運用する場合も、予算やクリック数、時期に合わせて、見直す間隔を決めてください。
※出典:Google 広告ヘルプ「キーワードのマッチタイプについて」 URL:https://support.google.com/google-ads/answer/7478529?hl=ja(2026年10月時点)
【手順4】訴求ごとに分けて見る:全体の数字に隠れる差を見つける
訴求とは、広告で伝える切り口(学べる内容や、取れる資格など)のことです。A大学では、この訴求ごとに広告グループを分けて、予算も訴求ごとに分けて配信しました。2026年3月の獲得単価を比べると、全体の数字だけでは見えない、訴求ごとの差がありました。
| A大学の訴求ごとの獲得(2026年3月) | ||
|---|---|---|
| 訴求 | 獲得数 | 獲得単価 |
| すべての訴求の合計 | 80件 | 約7,800円 |
| 心理学系の訴求 | 53件 | 約5,700円 |
| 教員免許系の訴求 | 25件 | 約1.15万円 |
| その他の訴求 | 2件 | 件数が少ないため割愛 |
訴求ごとの獲得単価を月に1回並べて、高い訴求の予算を、安い訴求や、新しい訴求の検証に回すのが、私たちの進め方です。
【手順5】広告文に、次の行動を促す短いフレーズを入れる
広告文には、学校の特徴だけでなく、資料請求や出願といった次の行動を促す短いフレーズを入れます。A大学で実際に入れたフレーズは、次の2種類です。
- 資料請求のメリットを伝えるフレーズ:資料請求をすると、学校の特徴や学べる内容、入試の流れなど、詳しい情報が手に入る
- Web出願の手軽さを伝えるフレーズ:Web出願なら、インターネットで出願の手続きができて、早くて便利
2025年5月は、このフレーズを入れた広告で獲得が多く出たため、その広告に配信を寄せ、獲得単価を抑えられました。獲得単価は約3,700円で、14か月のなかで3番目に低い、好成績でした。
広告文は、見出しと説明文を複数登録して、組み合わせて表示する形式(レスポンシブ検索広告)で運用しています。文字数の上限や登録できる数は、リスティング広告の文字数は何文字?Google広告のルールと最適な設定方法で解説しています。
現場の見立て
広告文を変えるときは、何が効いたのかを確かめるために、ほかの部分は同時には変えないようにします。2〜4週間は、予算・キーワード・遷移先のページをそのままにして、クリック率と獲得率を、変更前の期間と比べます。
予算を増やせば、資料請求は増える?|ただし、1件あたりの費用も高くなる
資料請求を増やしたいとき、まず思いつくのは予算を増やすことです。では、予算を増やすと、資料請求はどのくらい増え、1件あたりの広告費はどう変わるのでしょうか。
A大学は、Google検索広告だけの配信を14か月続けるなかで、月の予算を15〜25万円規模から55〜65万円規模まで変えています。その月ごとの数字を、予算の規模別にまとめると、次のとおりでした。
| 月の予算の規模 | 月数 | 月あたりの資料請求(平均) | 資料請求1件あたりの広告費 |
|---|---|---|---|
| 15〜25万円規模 | 4か月 | 約41件 | 約5,000円 |
| 25〜35万円規模 | 3か月 | 約53件 | 約5,700円 |
| 55〜65万円規模 | 7か月 | 約75件 | 約8,300円 |
※A大学(Google検索広告のみ)の14か月分。資料請求1件あたりの広告費=広告費÷資料請求の件数。資料請求の件数を記録している13か月で計算(55〜65万円規模の7か月のうち、2026年1月は記録がないため、6か月で計算)。予算以外の条件(訴求・時期・キーワード)も月で変わっているため、参考値です。
月の予算が15〜25万円規模の月と、その約3倍の55〜65万円規模の月を比べると、後者は、資料請求の件数が約1.8倍にとどまり、資料請求1件あたりの広告費は約1.7倍になりました。つまり、予算を増やすと件数は増えますが、1件あたりの費用も高くなります。
現場の見立て
検索広告が表示されるのは、学校や学科を探しているユーザーに限られます。そのため、予算を増やしても、届くユーザーが同じペースでは増えないと、私たちは見ています。予算を増やすと、探している条件が少しずれた検索語句にも広告が出るようになり、1件あたりの費用が高くなりがちです。ですので、予算を増やす前に、【手順2〜3】で、一般キーワードの幅と検索語句の除外を見直してください。それでも件数が足りないときに、予算の追加を検討します。
時期で数字が動く:前年の同じ月と比べる
同じ配信でも、時期によって数字は動きます。実際に、Google検索広告ありの案件では、夏が低く、秋冬が高い傾向でした。次の表は、その中央値です。
| 時期 | 件数 | CPA(成果1件あたりの広告費)の中央値 |
|---|---|---|
| 春(3〜5月) | 17件 | 約1.0万円 |
| 夏(6〜8月) | 10件 | 約0.57万円 |
| 秋冬(9〜2月) | 7件 | 約2.3万円 |
※Google検索広告ありの案件のうち、1か月単位でCPAを計算できた34件。同じ学校の複数月を含み、件数が少ないため、参考値です。
なお、時期別の数字は、オープンキャンパスの集客を広告で増やすコツ【実績70件以上】で解説しています。数字が悪くなったときは、前の月ではなく、前年の同じ月と比べて判断します。A大学の2026年3月の獲得単価は約7,800円で、前月より高くなっていましたが、前年の同じ月(約8,300円。2026年3月のレポートに書かれた数字)より低く、悪化とは見ていません。
事例:検索広告の見直しで、結果が変わった学校
ここからは、弊社が運用した3つの事例を紹介します。A大学・B専門学校・C塾の取り組みで、うまくいった点も、数字が伸びなかった点も載せています。自校の配信と照らし合わせて、見直す材料にしてください。
事例1
東京都のA大学
14か月の検索広告で、予算を増やした月ほど、資料請求1件あたりの広告費が高くなった
この事例のポイントは、次の3つです。
- Google検索広告だけの14か月で、獲得は1,093件。うち資料請求が約77%だった
- 月の予算が大きい月ほど、獲得単価は高くなる傾向があった
- 予算が約3倍(15〜25万円規模から55〜65万円規模)の月は、資料請求が約1.8倍にとどまった
つまり、A大学では、予算を増やすと資料請求は増えたものの、資料請求1件あたりの広告費も高くなった(約1.7倍)ということです。詳しい数字は、前述の「予算を増やせば、資料請求は増える?」の表で見たとおりです。
| A大学の配信の概要 | |
|---|---|
| 配信時期 | 2025年5月〜2026年8月のうち14か月(2025年8月と2026年4月を除く) |
| 媒体 | Google検索広告のみ(学科・訴求ごとに広告グループを分けて配信) |
| 成果にしたもの | 資料請求、個別相談会・説明会の申込、問い合わせ |
※資料請求が約77%という割合は、資料請求の件数を記録している13か月(獲得999件のうち資料請求772件)で出しました。2026年1月は、資料請求の件数の記録がありません。
事例2
大阪府のB専門学校
検索広告は月15〜25万円規模で29〜43件。同じ学校のInstagram広告は獲得が出ない月が続いた
この事例のポイントは、次の3つです。
- 検索広告は、月15〜25万円規模の費用で、獲得が29件(2025年9月)・43件(10月)出た
- 獲得単価は、9月が約5,200円、10月が約3,500円。同じ学校のInstagram広告は、獲得が出ない月が続いた
- 検索広告の獲得は、指名キーワードが中心。学科名と地域を組み合わせた一般キーワードからも獲得があった
つまり、指名キーワードで取れている件数を守りながら、学科名と地域を組み合わせた一般キーワードを足していく進め方が、手堅い方法であることを示す具体例だと言えます。詳しい内容は、次の表と本文で見ていきます。
| B専門学校の配信の概要 | |
|---|---|
| 配信時期 | 2025年7月〜2026年3月のうち5か月 |
| 媒体 | Google検索広告とInstagram広告 |
| 成果にしたもの | オープンキャンパス申込、資料請求 |
B専門学校は、Google検索広告とInstagram広告の両方を配信していましたが、獲得のほとんどは、検索広告から出ています。2025年9月と10月の数字は、次のとおりです。
| 月 | 検索広告 | Instagram広告 | |
|---|---|---|---|
| 獲得件数 | 獲得単価 | 獲得件数 | |
| 2025年9月 | 29件 | 約5,200円 | 0件 |
| 10月 | 43件 | 約3,500円 | 1件 |
検索広告の獲得単価は、どちらの月も、基準(Google検索広告ありの中央値 約1.0万円)より安くなっています。10月は、検索広告の費用が月15〜25万円規模で、43件を獲得しました。同じ月のInstagram広告は、検索広告の費用の約1.8倍の予算を使いましたが、獲得は1件にとどまりました。Instagram広告の役割はオープンキャンパスの集客の記事で解説しています。
事例3
岩手県のC個別指導塾
一般キーワードが広いとクリックだけが増え、地域名を入れたキーワードに獲得が出た
C塾は岩手県の個別指導塾で、成果の数え方(体験授業の申込・資料請求・電話のタップの合算)も、事例1・事例2の学校とは違います。そのため、これらとは単価を並べて比べず、キーワードの絞り方を見る例として紹介します。
この事例のポイントは、次の3つです。
- 一般キーワードを含めて予算を広げた2026年2〜3月は、獲得単価が約1.1万円と高く、クリックだけで獲得に至らないキーワードが目立った
- 4月に、地域名を入れたキーワードに絞り、獲得のないキーワードを止め、入札を調整した結果、クリック単価は約830円から約310円に安くなった
- 地域名入りの1つのキーワードは、費用1〜2万円規模で獲得4件、獲得単価は3,000円台と、全体(約1.0万円)より安かった。ただし、件数が少ないため参考値
つまり、キーワードごとに、費用と獲得を並べて見て、獲得の出ないものを止め、出るものに寄せるという、基本の運用で、全体より安く獲得できるキーワードが見つかったということです。詳しい内容は、次の表と本文で見ていきます。
| C個別指導塾の配信の概要 | |
|---|---|
| 配信時期 | 2025年4月、2026年1〜4月 |
| 媒体 | Google検索広告(2026年2〜3月はディスプレイ広告も併用) |
| 成果にしたもの | 体験授業の申込、資料請求、電話のタップ(合算) |
| 時期 | やったこと | 結果 |
|---|---|---|
| 2026年 1〜2月 | ・体験授業の訴求で、岩手県に配信 ・獲得のないキーワードは除外 | ・費用10〜15万円規模で獲得14件 ・獲得単価は約7,100円(前の配信は約12,900円) |
| 2026年 2〜3月 | ・予算を広げて配信 ・一般キーワードも含める | ・獲得39件、獲得単価は約1.1万円 ・一般キーワードは、クリックはあるが獲得に至らないものが多い |
| 2026年 4月 | ・地域名を入れたキーワードに絞る ・獲得の出ない一般キーワードを停止 ・入札単価を調整して、クリック単価を抑える | ・獲得10件、獲得単価は約1.0万円(ほぼ横ばい) ・クリック単価は約830円から約310円(入札の調整を含む) |
※弊社が運用した広告の実績をもとに、クライアントが特定されないよう一部の情報をぼかして掲載しています。成果は地域・時期・予算などの条件によって異なり、同様の結果を保証するものではありません。
「自校の検索語句やキーワードの見直しを手伝ってほしい」「予算を増やす前に、数字を一緒に確認したい」という場合は、お問い合わせください。現在の配信の数字と計測の設定を確認しながら、見直す順番をご提案します。
まとめ
- 自校の数字と比べる基準:成果1件あたりの広告費の中央値は、Google検索広告ありの案件で約1.0万円、Google検索広告だけの案件で約0.7万円。クリックからの獲得率は、100クリックで約3件が目安
- 見直しの順番は、①数字の計測の確認、②指名と一般の比較、③一般キーワードの絞り込みと除外、④訴求ごとの数字の見直し、⑤広告文のフレーズ、の順
- 予算を増やすと件数は増えるが、1件あたりの広告費も高くなるため、予算は上の見直しのあとに動かす
- 数字が悪くなったときは、前の月ではなく、前年の同じ月と比べて判断する
見直しの順番に沿って、自校の数字を並べてみてください。【手順1〜3】は自校でも取り組めますが、訴求ごとの予算の分け方、広告文の効果の確かめ方、複数の媒体を組み合わせた配分まで手が回らない場合は、一度、弊社までお気軽にお問い合わせください。
教育分野の広告の全体像は専門学校・大学の学生募集広告ガイド|実績265件で見る媒体と成果で、時期ごとの考え方はオープンキャンパスの集客を広告で増やすコツ【実績70件以上】で、媒体の選び方はTikTok広告は学生募集に効く?Instagramと比べた実績で解説しています。
「学校の検索広告」に関するよくある質問
学校の検索広告は、いくらから始められますか?
学校や地域によって異なりますが、弊社の案件では、月15〜25万円規模の検索広告の費用から、毎月数十件の資料請求やオープンキャンパス申込の獲得が出ている例があります(A大学・B専門学校)。予算が少ないうちは、指名キーワードと、学科名+地域の一般キーワードに絞って始めるとよいでしょう。
指名キーワードでの配信は、止めてもよいですか?
止める前に、ほかの学校の広告が自校名の検索で表示されていないかを確認してください。表示されているなら、指名キーワードは残しておくほうが安全です。表示されていなければ、いったん止めてみて、公式サイトからの資料請求が減っていないかを見ます。減るようなら、指名キーワードは残します。迷うときは、予算の一部だけを一般キーワードに回して、数字を比べます。
資料請求とオープンキャンパス申込は、同じ広告で取ってよいですか?
同じ広告グループで取ってかまいませんが、数字は成果ごとに分けて見てください。成果によって、獲得としての重み(申し込んだ人が、来校や入学にどれだけ近いか)が違うためです。合算した獲得単価だけを見ていると、どちらが安く取れているかも、どちらの獲得が重いかも分かりません。
検索広告とInstagram広告・TikTok広告は、どれから始めればよいですか?
まず、学校名のGoogle検索広告を確保してください。学校名で調べた人の申込を受け止める土台になります。そのうえで、InstagramやTikTokを入口として足します。媒体の組み合わせと費用の目安は、TikTok広告は学生募集に効く?Instagramと比べた実績で解説しています。
クリックは多いのに資料請求が入りません。どこを見ればよいですか?
まず計測、次に遷移先のページとフォームを確認します。計測の確認のしかたは、この記事の【手順1】で解説しています。申込が伸びないときの見直しは、オープンキャンパスの集客を広告で増やすコツ【実績70件以上】で解説しています。
※本記事の情報は執筆時点(2026年10月)のものです。最新の情報は必ず各公式サイト・公的機関でご確認ください。
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