SNSの普及により、商品購入の場はオンラインストアだけでなく、日常的に利用するSNS上にも広がっています。
こうした背景から注目されているのが、ソーシャルコマースです。
ソーシャルコマースは、ユーザーが普段から利用しているSNS上で商品を見つけ、そのまま購入できる仕組みのこと。企業にとっては、新しい販売チャネルを築きながら、顧客との関係性を深める手段として有効です。
本記事では、ソーシャルコマースの仕組みやメリット、導入時のポイントについて詳しく解説します。
ソーシャルコマースとは？
ソーシャルコマースとは、SNS（ソーシャルメディア）とEC（電子商取引）を組み合わせた販売の仕組みのこと。
ユーザーは普段使っているSNS上で商品の情報を見つけ、そのまま購入まで進めることができます。
従来はSNSは集客、ECは販売というように役割が分かれていましたが、ソーシャルコマースでは両者が連携され、アプリを切り替えることなく買い物体験が完結するのが特徴です。
また、SNSならではの「いいね」やコメントなどの機能を通じて、顧客との双方向コミュニケーションも可能に。
ソーシャルコマースは、新しい販売チャネルを構築しながら顧客との関係性を深められる手段として注目されています。
ソーシャルコマースが注目される背景
ソーシャルコマースが注目される背景には、スマートフォンやSNSの普及が大きく影響しています。
日常的にSNSを利用するユーザーが増えたことで、商品の情報収集から購入までをアプリ内で完結させたいニーズが増加。
また、グローバル規模でも市場は急速に拡大しており、グローバルインフォメーションのレポートによると今後も年平均30％以上の成長率が見込まれています。
日本国内においても、スマートフォン経由のBtoC-EC市場は増加傾向にあり、SNSを基点とした購買行動はますます重要になっています。
さらに、SNS上での口コミやレビュー、インフルエンサーの影響力を活用することで、従来の広告以上に効率的に商品を拡散できる点も、企業がソーシャルコマースに注目する理由の1つです。
こうした環境により、ソーシャルコマースは新たな販売チャネルとして国内外で広がりを見せています。
ソーシャルコマースのメリット
ソーシャルコマースで商品を販売するメリットを4つ紹介します。
- ⚫︎購買動線を短縮できる
- ⚫︎ターゲット層に直接リーチできる
- ⚫︎口コミやシェアによる拡散効果
- ⚫︎越境ECとの相性の良さ
購買動線を短縮できる
ソーシャルコマースの大きなメリットの1つは、購買までの動線を短縮できる点です。
従来のECでは、SNSで商品を知った後にサイトへ移動して購入する必要がありましたが、ソーシャルコマースではSNS上で商品の閲覧から購入までをシームレスに行えます。
ユーザーはアプリを切り替えることなく、気になる商品をその場で購入できるため、購入機会の損失を削減できます。
また、購入までのステップが短く、衝動的な購入や新規顧客の獲得にもつながりやすいというメリットも。
ソーシャルコマースは、ユーザーと企業の双方にとって効率的な販売手法だと言えます。
ターゲット層に直接リーチできる
ソーシャルコマースでは、SNS上でのユーザー属性や関心に基づいたターゲティングが可能です。
各SNSは年齢層や興味関心に応じたユーザーデータを保持しており、企業は自社製品に適した層にピンポイントでアプローチすることができます。
たとえば、若年層向けのファッション商品であれば、InstagramやTikTokで特定のユーザー層に人気のインフルエンサーを活用した販売施策が有効です。
このように、ソーシャルコマースではターゲットを明確にしたリーチが可能なため、広告費を効率的に活用でき、より高い購入率を期待できます。
口コミやシェアによる拡散効果
ユーザーの「いいね」やコメント、シェアといったSNS特有の機能を通じて、商品の認知を自然に広げられる点もソーシャルコマースの魅力の1つ。
購入者やフォロワーによる投稿は、広告のような押し付け感がなく、信頼性の高い情報として受け取られやすくなります。
また、口コミやシェアが新たなユーザーへの購買のきっかけとなり、企業は低コストで効率的に販路を拡大することが可能です。
この仕組みにより、ソーシャルコマースはユーザー全体の拡散力を活かした販売手法として注目されています。
越境ECとの相性の良さ
ソーシャルコマースは、国境を超えたEC展開にも適しています。
SNSは世界中で利用されており、投稿や広告を通じて海外ユーザーにも商品を届けられる点が強みです。
さらに、多通貨決済や現地の配送サービスと組み合わせることで、海外からの注文もスムーズに受け付けられます。
従来の越境ECではWebサイトへの誘導や多言語対応が課題となることが多いですが、ソーシャルコマースではSNS内で商品を見つけて購入が可能。
顧客体験を損なわず、海外販売の可能性を広げる手段として活用されています。
ソーシャルコマースのデメリット・課題
ソーシャルコマースには、デメリット・課題もいくつか存在します。
- ⚫︎プラットフォーム依存のリスク
- ⚫︎運営コストや広告費がかかる可能性
プラットフォーム依存のリスク
ソーシャルコマースはSNSをプラットフォームとして展開するため、運営は特定のSNSに依存する形になります。
そのため、プラットフォームの仕様変更やアルゴリズムの更新、アカウント連結などが発生すると、販売や集客に大きな影響を受ける点に注意が必要です。
特に、売上の多くをSNS経由に頼っている場合、予期せぬ変更で販売機会が減少するリスクも考えられます。
複数のSNSを活用した分散戦略や、自社サイト・メールマーケティングとの併用など、1つのSNSに依存しすぎない運営体制の構築が重要です。
運営コストや広告費がかかる可能性
ソーシャルコマースの運用には、投稿用コンテンツの制作費やSNS広告の費用が必要になる場合があります。
写真や動画の撮影、編集、キャンペーン運営など、ユーザーに魅力的に見せるための工夫にはコストがかかりがちです。
また、ターゲティング広告やプロモーションを行う場合、広告費が膨らむ可能性も。
特に、初期段階で効果測定をしながら運用を最適化する場合、試行錯誤による費用が発生することがあります。
効率的な運営には、予算の計画と効果分析を並行して行うことが重要です。
ソーシャルコマース導入のポイント
ソーシャルコマースを導入するにあたって、押さえておきたい3つのポイントについて解説します。
- ⚫︎自社商材とSNSユーザー層の相性を見極める
- ⚫︎国ごとに利用されているSNSを理解する
- ⚫︎顧客体験を意識した購買動線を設計する
自社商材とSNSユーザー層の相性を見極める
ソーシャルコマースを成功させるには、自社の商品やサービスとSNSの利用者層がどれだけ一致しているかを見極めることが重要です。
たとえば、若年層を中心に人気のファッションやコスメなどの商材であればInstagramやTikTokが効果的ですが、ビジネス系サービスであればLinkedInが向いているといった違いがあります。
SNSごとに利用者の年齢層や関心分野が異なるため、商品の特性とユーザー層の相性を分析した上で活用することが、効率的な販促につながります。
相性を無視して展開すると、広告費に対して十分な効果が得られない可能性もあるため注意が必要です。
国ごとに利用されているSNSを理解する
ソーシャルコマースを成功させるには、各国で利用されているSNSを把握することが欠かせません。
たとえば、中国ではWeChatや抖音（Douyin）が生活インフラのように浸透し、決済や口コミ型ECと連動しています。アメリカではFacebookやTikTokが購買行動の中心となり、SNS経由で商品を検索・購入する消費者が増加中です。
また、台湾では、FacebookとLINEの普及率が90％を超え、公式アカウントからECにつなげる仕組みが活用されています。シンガポールでは、ShopeeやLazadaとSNSを組み合わせたライブ配信販売が盛んです。
国ごとの利用傾向を理解することで、自社商品の強みを発揮できるプラットフォームを見極められるでしょう。
越境ECにおけるソーシャルコマースについて、詳しくはKOMOJUの下記記事もチェックしてみてください。
参考：越境ECは「SNS」で差がつく！話題のソーシャルコマースを解説
顧客体験を意識した購買動線を設計する
ソーシャルコマースでは、SNSで商品を認知してから購入に至るまでの流れをいかにスムーズに設計するかが成果を左右します。
たとえば、投稿からワンクリックで商品ページに移動できる仕組みを導入したり、SNSアプリ内で決済まで完結できるようにしたりすることで、離脱率を大幅に下げられます。
SNSは購買意欲が高まった瞬間を逃さずにアプローチできる点が強みであるため、ストレスのない動線設計が重要です。
こうしたスムーズな購買体験を実現するには、多様な決済方法を用意することも欠かせません。特に越境ECを視野に入れる場合、現地ユーザーが使い慣れた決済方法を導入することが売り上げに直結します。
そこで便利なのが、決済代行サービスです。たとえば、KOMOJUは初期・月額費用無料で、クレジットカード決済やQRコード決済、コンビニ決済に加え、海外の主要決済方法にも対応可能な決済サービスです。（QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標）
ShopifyなどのECプラットフォームにも簡単に組み込め、セキュリティ基準も国際規格に準拠しているため安心して利用できます。国内外20,000以上の導入実績があり、グローバルに展開を考える事業者にとっても強力なサポートとなるでしょう。
まとめ
今回は、ソーシャルコマースの概要やメリット、導入時のポイントについて解説しました。
ソーシャルコマースは、消費者にとっては日常的に利用するSNS上で自然に購買行動ができる利便性があり、企業にとっては新たな販売チャネルと顧客接点の拡大につながる魅力的な手法です。
ただし、成功には各SNSの特性を理解し、自社の商材やターゲットにあった形で取り入れることが不可欠です。
本記事で紹介したポイントを参考に、自社に合ったソーシャルコマースの導入を検討してみてください。
ワンクルーズのFacebook広告の運用は、10万円/月（税別）から可能です。
10万円の中には、出稿費用・初期設定・バナー制作費・運用手数料まで全て含んでおりますので、乗り換え費用やアカウント構築費用等は一切かかりません！
Facebook社から成功事例として紹介された実績のあるワンクルーズでは、Facebook以外にも規模や業種を問わず、1,000を超えるアカウントの広告運用実績があります。
契約は1ヶ月単位で、期間の縛りは一切ございません。手数料の安さをうたう業者もあると思いますが、重要なのは費用対効果！
そこに見合う信頼できる業者をお探しなら迷わずワンクルーズへご相談ください！
おすすめの記事一覧
- 良い代理店か否かを見極める13個のポイント
- インスタグラム広告出稿におけるおすすめの媒体
- 中小企業がネット広告代理店を選ぶ時に比較すべき5つのポイント
- インターネット広告で効果が出ない時に見るべきチェックポイント
