住宅の広告では「青空の下の外観写真」が強い、というのが私たちのテストでもよく見られる傾向です。ところが、モデルハウスとして使っていた家を販売する広告では、その定番が通用しませんでした。
地方の住宅会社が、家具付きの平屋のモデルハウスを販売する広告で、間取り図を主役にしたバナーと青空の外観写真を主役にしたバナーを比べたところ、間取り図のバナーが表示回数で約13倍になりました。配信中の途中経過の数字ですが、差がはっきり出たためご紹介します。
テストの概要
| 業種 | 住宅会社(家具付き平屋モデルハウスの販売) |
|---|---|
| 目的 | 成果(問い合わせ・来場予約などの行動)をできるだけ多く集める |
| 配信媒体 | Meta広告(Instagram・Facebook) |
| 期間 | 約2週間(配信終了の直前に集計した途中経過) |
| 比べたもの | 主役にした画像(間取り図/外観写真)と、「家具付き」の見せ方 |
見学会のように「家を見に来てもらう」広告ではなく、その家を買って住んでもらうための広告です。家具が付いていて、すぐに住み始められることが大きな売りでした。
AとBで変えたところ

Aパターン(間取り図)は、落ち着いたグレー系の背景に、間取り図を大きく置いたバナーです。外観写真は右下に小さく添えました。家具付きであることを伝えるサブコピーは、メインコピーの上の色の帯に入れて目立たせています。
Bパターン(外観)は、青空と平屋の外観写真をバナーの下半分に大きく使ったバナーです。上には家具の線画イラストを散らし、「家具付き」であることは帯を使わず文字だけで入れました。
メインコピー・販売期間・エリア名・来場特典の帯は、A・Bでほぼ同じ内容です。
結果:間取り図のAが表示回数で約13倍

- 表示回数:AはBの約13倍
- クリック率(CTR):Aが1.96%、Bが1.35%(+0.61ポイント、約1.5倍)
- 成果の数:AはBの約20倍
クリック率(CTR)は、広告が表示された人のうち、クリックした人の割合です。Aはクリック率でもBの約1.5倍で、表示回数・クリック率・成果の数のすべてでBを大きく上回りました。今回の判定は表示回数を第一にしていますが、どの数字で見てもAの勝ちです。
間取り図のAが勝った理由
「買う人」が知りたいのは、外観より暮らしの中身
販売する家は、買った人にとって「自分の家」になります。外観写真だけでは、部屋がいくつあるのか、リビングがどのくらい広いのかがわからず、そこで暮らす姿を想像しにくくなります。間取り図なら、部屋の数や配置、LDKの広さがひと目でわかり、「家族で住めるか」をその場で考えられます。
別の住宅広告のテストでも、土地や物件を具体的に検討している人に向けた広告では、地図や区画図、間取りのように「中身がわかる図」を主役にしたバナーが、イメージ写真を主役にしたバナーより良い結果になる例がありました。見学会の広告とは、響くものが違うと考えられます。
一番の売りが、帯で目に入った
家具が付いていてすぐに住み始められることは、この家ならではの強みです。Aはそれを色の帯に入れて最初に目に入る位置に置いた一方、Bでは文字だけで、家具のイラストにまぎれて目立ちませんでした。
次に試したいこと
- 外観以外の特徴を入れる:完成見学会ではないので、間取り(○LDK)・広さ・日当たりの向きなど、住む人が知りたい情報を入れます
- 「家具付き」をさらに目立たせる:帯やアイコンにして、読まなくても伝わるようにします
- イラストを減らして要素を絞る:飾りのイラストは控えめにし、伝えたい情報を目立たせます
- 「販売」であることをはっきり:見学会と間違われないよう、売り出している家であることを伝える言葉を目立たせます
他の業種でも使えるポイント
- 「見に来てほしい」のか「買ってほしい」のかで、主役を変える:来てもらう広告は雰囲気、決めてもらう広告は中身。同じ商品でも、目的によって効く画像は変わります
- 中身は図で見せる:店内の席の配置、コースの流れ、料金プランの違いなど、写真では伝わりにくいことは図にするとひと目で伝わります
- 一番の強みは帯やアイコンで:「すぐ使える」「初回無料」など、決め手になる条件は文字の中に埋もれさせず、目に入る形にします
まとめ
家具付きの平屋モデルハウスを販売する広告で、間取り図を主役にしたバナーが、青空の外観写真のバナーに比べて表示回数で約13倍、クリック率で約1.5倍、成果の数で約20倍になりました(途中経過)。住宅の広告の定番である外観写真も、「買って住む人」に向けた広告では、間取りのような暮らしの中身にかなわないことがあります。
アドデザインラボでは、こうしたA/Bテストを毎週続けています。「物件の販売広告で、何を主役にすればいいか迷っている」という方は、お気軽にご相談ください。
