家を売りたい人に向けた不動産買取の広告では、古い家でも買い取れることや、すぐに売れることなど、伝えたいことがはっきりしている分、コピーを大きく見せたくなります。ところが今回のテストでは、コピーを中央に大きく置いたバナーよりも、家の外観写真を上に大きく置いたバナーのほうが、よく表示され、よくクリックされました。
この記事では、不動産会社による住宅の買取の広告で行ったA/Bテストをご紹介します。使った写真もコピーもほぼ同じで、変えたのは並べ方とボタンの形です。それだけで、クリック率は約1.5倍、表示回数は約7倍の差になりました。
テストの概要
| 業種 | 不動産会社(住宅の買取) |
|---|---|
| 目的 | 買取査定の問い合わせを増やす |
| 配信媒体 | Meta広告(Instagram・Facebook) |
| 期間 | 約2週間(配信は終了済み) |
| 比べたもの | 写真の並べ方(外観が上/コピーが中央)と、ボタンの形 |
この広告は、すでに配信していたバナーに追加で作った2案を比べたものです。クリックした先では、査定の申し込みや問い合わせができるようになっています。
AとBで変えたところ

Aパターン(外観写真が上)は、買い取った家の外観写真を、バナーの上半分に大きく置いたものです。コピーは左上の大きな円の中に収め、下には外観2枚・内観2枚の写真を並べました。いちばん下には、矢印のついた横長のボタンを置いています。
Bパターン(コピーが中央)は、上に内観と外観の写真を並べ、中央の白地にコピーを大きく置いたものです。下には写真を3枚並べ、問い合わせの案内は右下の丸の中に入れました。コピーがいちばん目立つ作りです。
コピーの内容と写真の種類は、AとBでほぼ同じです。主に変わったのは、最初に目に入る写真、コピーの位置、ボタンの形の3つです。
結果:クリック率約1.5倍、表示回数約7倍

- 表示回数:AはBの約7倍
- クリック率(CTR):Aが0.98%、Bが0.67%(Aが約1.5倍、+0.31ポイント)
クリック率(CTR)は、広告が表示された人のうち、クリックした人の割合です。今回は、表示回数とクリック率の両方でAが上回りました。Bは表示が伸びなかったため、配信を止めています。問い合わせの数は、この2案の比較では集計していないため、表示回数とクリック率で比べています。
Bが負けた理由
最初に目に入る写真が内観だった
Bの左上、最初に目が行く場所にあったのは、家具のない部屋の内観写真でした。家を売りたい人が思い浮かべるのは「自分の家」の外観です。Aのように外観を大きく見せたほうが、「家の買取の広告だ」とすぐに伝わり、自分ごととして見てもらいやすかったと考えられます。
ボタンがボタンに見えなかった
Bの問い合わせの案内は、赤い丸の中に文字と下向きの矢印を入れたものでした。目立つ一方で、押せるボタンというより、飾りのマークのように見えやすい形です。Aは横長の帯に右向きの矢印をつけ、ひと目で「ここを押せば次に進める」とわかるようにしていました。
小さい文字が読みにくかった
この広告の中心となる読者は、45歳以上の方です。Bでは、エリアや実績を伝える部分などの文字が小さく、スマホの画面では読みにくかったと考えられます。年齢の高い方に向けた広告では、いちばん小さい文字の大きさにも気を配る必要があります。
次に試したいこと
- 外観を上に、内観より目立たせる:内観を入れる場合も、外観より小さく、下のほうに置きます
- ボタンらしさをはっきり出す:横長の形・矢印・押した後にできることがわかる言葉で、飾りと区別します
- 文字の最小サイズを上げる:45歳以上の方でも読める大きさを、いちばん小さい文字の基準にします
- 白地を減らし、色のついた面を増やす:白地が多いと、タイムラインの中で埋もれやすくなります
- 「仲介を通さず、直接買い取る」ことを伝える:すぐに売れる・すぐにお金になるという、買取ならではのよさが伝わるコピーにします
なお、同じ広告ではこの2案とは別に、上に外観写真、中央にコピーと帯、下に内観写真を並べ、いちばん下に横長のボタンを置いたバナーも配信していました。こちらは引き続き表示がよく伸びていて、問い合わせにもつながっています。「外観が上、ボタンははっきり」という形は、今回のAと共通しています。
他の業種でも使えるポイント
- 最初に目に入る場所には、見る人が「自分のこと」と思える写真を:売りたい家の外観、通いたい店の入口、相談したい先生の顔など、読む人が思い浮かべているものを上に置きます
- 押してほしい場所は、ボタンの形にする:丸や吹き出しは飾りに見えやすいため、横長の形と矢印で「押せる」ことを伝えます
- 読む人の年齢に合わせて、文字の大きさを決める:特に40代以上に向けた広告では、注記や実績などの小さい文字ほど見直します
まとめ
住宅の買取の広告で、写真とコピーの中身はほぼ同じまま、並べ方とボタンの形を変えて比べました。外観写真を上に大きく置き、ボタンをはっきり見せたAが、クリック率で約1.5倍、表示回数で約7倍となりました。伝えたいコピーがあるときほど、「最初に何が目に入るか」と「どこを押せばいいか」を先に決めることが大切です。
アドデザインラボでは、こうしたA/Bテストを毎週続けています。「問い合わせにつながるバナーにしたい」「今のバナーのどこを変えればいいか知りたい」という方は、お気軽にご相談ください。
