A/B TEST #012 住宅・不動産 #コピー#レイアウト#写真

住宅会社のバナー事例|内観が青空の外観に勝った。鍵は最初の予約

住宅の広告では、「青空を背景にした外観写真」が勝ちやすい王道のパターンです。このメディアでご紹介してきた事例でも、外観写真のバナーが内観写真より多く表示された結果がいくつもあります。

ところが今回は逆でした。地方の工務店の完成見学会の広告で、LDKの内観写真のバナーが、青空の外観写真のバナーの約2.1倍表示され、見学予約も多く集めました。王道が負けたのはなぜか。カギは、配信を始めてすぐについた見学予約にありました。

テストの概要

業種工務店(新築の完成見学会)
目的見学会の予約
配信媒体Meta広告(Instagram・Facebook)
期間約2週間
ターゲット23〜49歳の男女
比べたものメインの写真(内観/外観)と、来場特典・コピーの置き方

AとBで変えたところ

AパターンとBパターンのレイアウト比較。Aはベージュ系の上部にイベント名・エリア名・来場特典の案内をまとめ、その下に左上のカドを丸く切り抜いたLDKの内観写真を置き、下に家事の動線を伝えるコピーを帯で入れている。Bは青空を背景に、左にエリア名を縦に大きく置き、右上に来場特典の丸、中央下に建物を正面から撮った外観写真を置いている
実際のバナーをもとに、レイアウトと要素の大きさだけを再現した図です

Aパターン(内観)は、吹き抜けと階段のあるLDKの写真を大きく使ったバナーです。上部はベージュ系の落ち着いた色で、イベント名と開催日、大きなエリア名、その真下に来場特典があることを知らせる横長の案内をまとめました。写真は左上のカドだけを丸く切り抜き、下には家事の動線のよさを打ち出すコピーを帯で大きく入れています。クリックした先のページ(遷移先ページ)の雰囲気に寄せたデザインです。

Bパターン(外観)は、青空を背景に、建物を真正面から撮った外観写真を置いたバナーです。エリア名を左に縦書きで大きく入れ、イベント名と開催日は右上に、来場特典は右上の丸の中に入れました。コピーはAと同じ内容ですが、上部に1行で小さく置いています。

今回は写真だけでなく、特典とコピーの置き方、全体の色味も同時に変わっています。そのため「写真だけの差」とは言い切れない点はご了承ください。

結果:内観のバナーが約2.1倍表示された

結果のグラフ。表示回数はBを1としたときAが2.1。クリック率はAが1.46%、Bが1.36%
  • 表示回数:AはBの約2.1倍
  • クリック率(CTR):Aが1.46%、Bが1.36%(差は0.10ポイント)
  • 見学予約:A・Bどちらにもつき、Aの方が多くつきました

クリック率(CTR)は、広告が表示された人のうち、クリックした人の割合です。クリック率の差は0.10ポイントと小さく、大きく差がついたのは表示回数でした。このチームでは表示回数を優先して勝ち負けを決めているため、Aの勝ちとしています。

内観が勝った理由

配信2日目の予約で、表示が内観に寄った

いちばん大きかったのは、配信2日目に内観のバナーから見学予約が続けて入ったことです。Meta広告は、成果が出た広告により多くの表示を割り当てる仕組みになっています。3日目には外観のバナーにも予約がつきましたが、その後も内観のバナーに予約が重なり、表示回数の差が広がっていったと考えられます。

つまり、「内観の方がいつでも強い」というより、最初に成果を出した方に配信が集まったと見るのが自然です。配信の序盤は、少しの差がその後の結果を大きく左右します。

写真・コピー・遷移先ページがそろっていた

Aは、遷移先ページの印象に寄せて作っていたため、クリックした人が違和感なく見学予約に進めたと考えられます。また、コピーが伝える家事の動線のよさは家の中の話なので、LDKの写真とはよく合っていました。

一方、Bは青空の外観写真に、家事の動線を伝えるコピーを組み合わせていました。写真は家の外、コピーは家の中の話で、伝えていることがずれていたうえ、遷移先ページの印象とも離れていたと考えられます。

特典が目に入りやすく、言い方もやわらかかった

Aでは、来場特典の案内をエリア名のすぐ下、視線が最初に通る位置に置いていました。また「予約特典」ではなく「来場特典」と書いたことで、「予約しないともらえない」という印象が薄れ、申し込みの心理的なハードルが下がった可能性があります。私たちがこれまでに担当した住宅の広告でも、特典は「来場特典」と書く方が反応がよい傾向があります。

カドの丸い切り抜きで、広告らしさが薄れた

Aの写真は、左上のカドだけを丸く切り抜いていました。雑誌の誌面のような柔らかい見た目になり、「広告っぽさ」が薄れて手に取りやすい印象になったのではないか、とチームでは考えています。ただし、これは今回のテストだけでは確かめられていない仮説です。

外観のバナーを伸ばすなら

負けた外観のバナーにも、改善できるところがあります。社内で出た案は次のとおりです。

  • 斜めから撮った外観に差し替える:四角い建物を真正面から撮ると、単調でコンパクトに見えがちです。斜めのカットがあれば、奥行きと立体感が出ます
  • 外観から連想できるコピーにする:家事の動線のような「家の中」の話ではなく、外観のデザインや街並みなど、写真を見て納得できる言葉を合わせます

他の業種でも使えるポイント

  • 「定番が勝つ」とは限らない:業界でよく勝つパターンも、遷移先ページやコピーとの組み合わせ次第で負けることがあります。定番と、もう一案を並べて試す価値があります
  • 写真とコピーは、同じ場所の話にそろえる:店内の雰囲気を伝えるコピーなら店内の写真、立地を伝えるコピーなら外観や地図、というように、言葉と写真を合わせます
  • 特典は「来てくれたらもらえる」と書く:「予約特典」「申込特典」より「来場特典」「来店特典」の方が、申し込みのハードルが低く感じられます

まとめ

完成見学会の広告で、LDKの内観写真のバナーが、王道の青空の外観写真の約2.1倍表示され、見学予約も多く集めました。配信2日目についた予約で表示が内観に寄ったことに加え、写真・コピー・遷移先ページの印象がそろっていたことが勝因と考えられます。外観写真が勝ちやすいからこそ、組み合わせを見直したもう一案を並べて試すことが大切です。

アドデザインラボでは、こうしたA/Bテストを毎週続けています。「外観と内観、どちらを使うべきか迷っている」「見学会の予約を増やしたい」という方は、お気軽にご相談ください。

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WRITER アドデザインラボ編集部 アドデザインラボ編集部 毎月200件以上のバナー広告を制作する、ワンクルーズのデザインチームが運営しています。 住宅・フィットネス・クリニックなど、さまざまな業種で毎週A/Bテストを行い、「何を変えたら、どれだけ変わったか」を現場のデータとともにお届けします。