A/B TEST #010 住宅・不動産 #レイアウト#写真#色

住宅会社のバナー事例|手描きイラストよりリアルな外観で表示約5.7倍

モデルハウスの公開を告知する広告で、「やわらかい雰囲気を出したいから、写真ではなく手描き風のイラストにしたい」と考えることはないでしょうか。イラストは親しみやすく、他の広告との差もつけやすい表現です。ところが今回のテストでは、手描きイラストのバナーは表示回数が伸びず、リアルな外観のバナーに大きく差をつけられました。

この記事では、住宅会社の新しいモデルハウスの公開広告で行ったA/Bテストの途中経過をご紹介します。リアルな外観のバナーは、手描きイラストのバナーの約5.7倍表示され、見学予約にもつながっています。

テストの概要

業種住宅会社(新しいモデルハウスの公開)
目的モデルハウスの見学予約を増やす
配信媒体Meta広告(Instagram・Facebook)
期間約4週間(約1か月の配信予定のうち、配信中の途中経過)
比べたものメインの絵(リアルな外観/手描きイラスト)と、特典の見せ方

AとBで変えたところ

AパターンとBパターンのレイアウト比較。Aは左の列にタイトル・物件名・開催期間をまとめ、右に家が大きく写ったリアルな外観を置いている。Bは上いっぱいにタイトルを置き、中央に家・木・家族を描いた手描きイラスト、右下に大きな黄色い丸の特典を置いている
実際のバナーをもとに、レイアウトと要素の大きさだけを再現した図です

Aパターン(リアルな外観)は、写真のようにリアルに描かれた完成予想の外観を、バナーの右側に大きく置いたものです。左の列には、タイトル・物件名・開催期間を縦にまとめています。来場特典とWeb予約の特典は、下の2段の帯に収めました。

Bパターン(手描きイラスト)は、家のまわりに木や旗、歩いている家族を描いた、手描き風のイラストを中央に置いたものです。にぎやかで楽しい雰囲気が出る一方、家そのものは画面の中で小さめになっています。タイトルは上いっぱいに大きく置き、Web予約の特典は右下の大きな黄色い丸で目立たせました。

タイトルの文字は、AとBともに多色づかいの同じデザインです。メインの絵だけでなく、特典や開催期間の置き方も同時に変わっているため、「絵だけの差」とは言い切れない点はご了承ください。

結果:表示回数に約5.7倍の差(途中経過)

結果のグラフ。表示回数はBを1としたときAが5.7。クリック率はAが0.64%、Bが0.78%
  • 表示回数:AはBの約5.7倍
  • クリック率(CTR):Aが0.64%、Bが0.78%(Bが0.14ポイント高い)
  • 見学予約:集計時点で予約がついたのはAです

クリック率(CTR)は、広告が表示された人のうち、クリックした人の割合です。クリック率だけを見ると、イラストのBのほうが少し高い結果でした。ただ、Bは配信の初めから表示回数が伸びず、そのまま大きな差がつきました。このチームでは表示回数を優先して勝ち負けを決めているため、Aの勝ちとしています。

配信はまだ続いているため、この数字は途中経過です。

手描きイラストが伸びなかった理由

家が小さく、「家の広告」だと伝わりにくい

Bのイラストは、木や旗、家族など描かれているものが多く、家そのものは画面の中で小さめでした。手描きのタッチも強いため、スマホの画面をすばやくスクロールする中では、「家の広告だ」と一目でわかりにくかったと考えられます。Aのように、家が大きくはっきり写っているほうが、住宅に興味のある人の目に留まりやすくなります。

黄色い丸の特典が「チラシ感」を強めた

Bでは、Web予約の特典を大きな黄色い丸で目立たせました。販促の印象が強く、チラシのように見えやすい表現です。Meta広告は、チラシのような広告や、飾りや色が多すぎる広告を好まない傾向があると言われており、それが配信の伸びにくさにつながったと考えられます。私たちが担当した他の住宅会社の事例でも、特典を画面の大部分に大きく見せたバナーは、青空の外観を主役にしたバナーに比べて表示回数が数分の一にとどまったことがあります。

色と飾りが多く、情報が散らばっていた

タイトルも家のイラストもカラフルなうえに、特典まわりにも飾りが多く、見る人の目が休まる場所がありませんでした。また、タイトル・物件名・開催期間がバナーの上・中ほど・下に分かれていて、「どこで・いつ」がまとまって目に入りません。Aは、これらの情報を左の列に縦にまとめていました。

それでもイラストを使いたいときの工夫

Bはクリック率ではAを上回っており、イラストの親しみやすさが響いた人もいたと考えられます。イラストを活かしたい場合は、次のような作り直しが考えられます。

  • 家の部分にしぼってトリミングする:まわりの木や人物は最小限にして、家を大きく見せます
  • タイトルがカラフルなら、他は控えめに:特典の丸や帯の飾りはシンプルにして、色の数を減らします
  • タイトル・エリア・日付をひとまとめにする:「何の・どこで・いつ」を1か所で読めるようにします

また、配色によって広告が届く人の層が変わることもあります。たとえばピンク系と水色系で、どんな人に配信され、どちらが反響につながるかを比べてみるのも一つの方法です。

他の業種でも使えるポイント

  • 主役は大きく、はっきり見せる:店舗の外観、料理、施術の様子など、何の広告かを伝える主役は、画面の中で大きく見せます。雰囲気づくりの要素を足すほど、主役は小さくなりがちです
  • 特典は「補助」に回す:割引やプレゼントを大きな丸や派手な色で目立たせると、チラシのように見えて配信が伸びにくくなることがあります。特典は下の帯などに控えめに置きます
  • クリック率と表示回数の両方を見る:今回のように、クリック率は高いのに表示が伸びないバナーもあります。どちらの数字で勝ち負けを決めるかを、配信の前に決めておきます

まとめ

モデルハウスの公開広告では、家が大きく写ったリアルな外観のバナーが、手描きイラストのバナーの約5.7倍表示され、見学予約にもつながりました(途中経過)。イラストのやわらかさには魅力がありますが、家が小さく、色や飾りが多いと、「家の広告」だと伝わる前にスクロールされてしまいます。イラストを使うときほど、主役の家を大きく、まわりはシンプルにすることが大切です。

アドデザインラボでは、こうしたA/Bテストを毎週続けています。「イラストと写真、どちらがいいか迷っている」「見学会の予約を増やしたい」という方は、お気軽にご相談ください。

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WRITER アドデザインラボ編集部 アドデザインラボ編集部 毎月200件以上のバナー広告を制作する、ワンクルーズのデザインチームが運営しています。 住宅・フィットネス・クリニックなど、さまざまな業種で毎週A/Bテストを行い、「何を変えたら、どれだけ変わったか」を現場のデータとともにお届けします。