A/B TEST #004 住宅・不動産 #レイアウト#写真#色

住宅会社のバナー事例|平屋は内観より間取り。クリック率が約2.4倍に

平屋の見学会の広告で、「温かみのある内観写真を使いたい」というご要望をいただくことがあります。ところが今回のテストでは、リビングの内観写真を使ったバナーは表示がほとんど伸びず、配信から3日で止めることになりました。

この記事では、地方の住宅会社の平屋の見学会広告で行ったA/Bテストと、その後2回の作り直しの結果をご紹介します。最終的に、内観写真をやめて間取り図を主役にしたバナーが、負けたバナーの約2.4倍のクリック率になりました。

テストの概要

業種住宅会社(平屋の見学会)
目的見学会の予約を増やす
配信媒体Meta広告(Instagram・Facebook)
期間約2週間半(作り直したバナーは途中から差し替え)
ターゲット子育て世帯・夫婦。年齢や興味で細かく絞らない配信
比べたものメインの写真(夜景の外観/リビングの内観)と、コピー・特典の置き方

夜の時間帯に家を見てもらう見学会の広告です。クリックした先のページ(遷移先ページ)は、夜景の外観写真を大きく使った、紺色が基調のデザインでした。

AとBで変えたところ

AパターンとBパターンのレイアウト比較。Aは夜空を背景に平屋の外観写真を大きく置き、エリア名とイベント名を上にまとめている。Bはリビングの内観写真を全面に使い、縦書きのコピーを左上、イベント名を左下、特典を下の帯に置いている
実際のバナーをもとに、レイアウトと要素の大きさだけを再現した図です

Aパターン(外観)は、夜空を背景に、明かりのついた平屋の外観写真を大きく置いたバナーです。エリア名・イベント名・開催期間を上にまとめ、「くつろぎ」と「平屋」を伝えるコピーを横長の帯にして、写真の下に置いています。遷移先ページと同じ、寒色系で落ち着いた雰囲気です。

Bパターン(内観)は、「温かみのある雰囲気を出したい」というご要望に合わせて、照明の映えるリビングの写真を全面に使ったバナーです。コピーは縦書きで左上に、イベント名は左下に、来場特典は下の帯に置きました。全体が暖色系になっています。

今回は写真だけでなく、コピーや特典の置き方、全体の色味も同時に変わっています。そのため「写真だけの差」とは言い切れない点はご了承ください。

負けたBを、2回作り直した

Bは表示回数がほとんど伸びなかったため、配信から3日で止め、勝ったAはそのまま配信を続けました。そのうえで、Bの負けた理由を見直し、2回作り直しています。

作り直したバナー2案のレイアウト比較。改善版1は上を紺系の帯にして、斜めから撮ったリビングの写真を下に置いている。改善版2は明るい背景に、大きな間取り図と小さな外観写真を置き、コピーを紺の帯にしている
作り直した2案。どちらも縦長のサイズです

改善版1では、遷移先ページに合わせて上半分を紺系にし、写真を奥行きが出る斜めの角度に、ソファも見えるカットに差し替えました。クリック率は上がったものの、表示回数は伸びず、大きな効果は出ませんでした。

改善版2では、内観写真をやめて間取り図を主役にし、外観写真を小さく添えました。エリア名を目立たせ、背景は明るくしながら、コピーの帯や文字の色は遷移先ページに寄せています。配信の最後の約1週間に出した案です。

結果:間取り図のバナーがクリック率1.00%

4つのバナーのクリック率のグラフ。Aが0.78%、Bが0.41%、改善版1が0.85%、改善版2が1.00%で、改善版2はBの約2.4倍
バナークリック率(CTR)表示回数の伸び見学予約
A 夜景の外観0.78%よく伸びたあり
B 内観(正面)0.41%伸びず、3日で停止なし
改善版1 内観(斜め)0.85%伸びず—
改善版2 外観(小)+間取り1.00%短い期間でよく伸びたあり

クリック率(CTR)は、広告が表示された人のうち、クリックした人の割合です。最初のテストでは、Aのクリック率がBの約1.9倍(+0.37ポイント)でした。最後に出した改善版2は1.00%で、Bの約2.4倍、Aと比べても+0.22ポイント高い結果です。

このテストでは、勝ち負けを「どれだけ表示されたか」を第一に判断しています。改善版1はクリック率こそBより0.44ポイント上がりましたが、表示回数が伸びなかったため、効果は小さかったと判断しました。改善版2は配信が約1週間と短かったにもかかわらず表示回数がよく伸び、見学予約にもつながりました。なお、バナーごとに配信した日数が違うため、表示回数の数そのものは比べていません。

内観写真が負けた理由

バナーと遷移先ページの雰囲気がずれていた

Bは暖色系の室内写真でしたが、クリックした先のページは紺色が基調の夜景の外観でした。バナーと遷移先ページの見た目がずれていると、クリックした人が「思っていたのと違う」と感じて離れやすくなります。Meta広告では、こうした広告は配信が伸びにくくなると考えられます。

平屋の内観は、どうしてもコンパクトに見える

平屋は1部屋が広くなりにくく、リビングを正面から撮ると、奥行きが出ずに小さな部屋に見えがちです。改善版1で角度を変えても表示回数が伸びなかったことから、写真の撮り方よりも「平屋で内観を主役にすること」自体が合っていなかったと考えられます。

コピーと写真が合っていなかった

コピーは「くつろぎ」と「平屋」を伝える内容でしたが、写真の中心はテレビで、ソファなどくつろげる場所はほとんど写っていませんでした。平屋であることも、コピーの中で軽く触れているだけでした。言葉と写真が同じことを伝えていないと、見る人に魅力が伝わりにくくなります。

間取り図のバナーが勝った理由

間取り図は、部屋の数や配置、LDKの広さが一目でわかります。内観写真では狭く見えてしまう平屋でも、間取り図なら「家族で暮らせる広さがある」ことを、見学会に来る前に伝えられます。小さく添えた外観写真で「どんな家か」も同時にわかり、帯の色を遷移先ページに寄せたことで、クリックした後の違和感も小さくなったと考えられます。

私たちが担当した他の住宅会社のテストでも、土地を探している人向けの広告では、地図や区画図を主役にしたバナーのクリック率が、イメージ写真を主役にしたバナーより高かった例があります。「写真で雰囲気を伝える」より「図で中身を伝える」方が響く場面は、住宅の広告では少なくありません。

他の業種でも使えるポイント

  • バナーの色味は、遷移先ページに合わせる:「温かみを出したい」などの要望があっても、クリックした先のページと雰囲気がずれると、配信が伸びにくくなります。バナーだけを変えるのではなく、ページとセットで考えます
  • 写真で伝わりにくい魅力は、図にする:広さや部屋の配置、店内の席の数やコースの流れなど、写真では伝わりにくいことは、間取り図や図解にすると一目で伝わります
  • クリック率だけでなく、表示回数も見る:改善版1のように、クリック率が上がっても表示が伸びなければ、届く人の数は増えません。どの数字で勝ち負けを決めるかを、配信の前に決めておきます

まとめ

平屋の見学会の広告では、温かみを狙ったリビングの内観写真が伸びず、夜景の外観写真のバナーが勝ちました。負けたバナーは2回作り直し、内観写真をやめて間取り図を主役にした案で、クリック率が負けたバナーの約2.4倍になり、見学予約にもつながりました。写真で魅力が伝わりにくいときは、無理に写真で見せようとせず、図で伝える方法も試す価値があります。

アドデザインラボでは、こうしたA/Bテストを毎週続けています。「今のバナーのどこを変えればいいか知りたい」「見学会の予約を増やしたい」という方は、お気軽にご相談ください。

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WRITER アドデザインラボ編集部 アドデザインラボ編集部 毎月200件以上のバナー広告を制作する、ワンクルーズのデザインチームが運営しています。 住宅・フィットネス・クリニックなど、さまざまな業種で毎週A/Bテストを行い、「何を変えたら、どれだけ変わったか」を現場のデータとともにお届けします。