平屋の見学会の広告で、「温かみのある内観写真を使いたい」というご要望をいただくことがあります。ところが今回のテストでは、リビングの内観写真を使ったバナーは表示がほとんど伸びず、配信から3日で止めることになりました。
この記事では、地方の住宅会社の平屋の見学会広告で行ったA/Bテストと、その後2回の作り直しの結果をご紹介します。最終的に、内観写真をやめて間取り図を主役にしたバナーが、負けたバナーの約2.4倍のクリック率になりました。
テストの概要
| 業種 | 住宅会社(平屋の見学会) |
|---|---|
| 目的 | 見学会の予約を増やす |
| 配信媒体 | Meta広告(Instagram・Facebook) |
| 期間 | 約2週間半(作り直したバナーは途中から差し替え) |
| ターゲット | 子育て世帯・夫婦。年齢や興味で細かく絞らない配信 |
| 比べたもの | メインの写真(夜景の外観/リビングの内観)と、コピー・特典の置き方 |
夜の時間帯に家を見てもらう見学会の広告です。クリックした先のページ(遷移先ページ)は、夜景の外観写真を大きく使った、紺色が基調のデザインでした。
AとBで変えたところ

Aパターン(外観)は、夜空を背景に、明かりのついた平屋の外観写真を大きく置いたバナーです。エリア名・イベント名・開催期間を上にまとめ、「くつろぎ」と「平屋」を伝えるコピーを横長の帯にして、写真の下に置いています。遷移先ページと同じ、寒色系で落ち着いた雰囲気です。
Bパターン(内観)は、「温かみのある雰囲気を出したい」というご要望に合わせて、照明の映えるリビングの写真を全面に使ったバナーです。コピーは縦書きで左上に、イベント名は左下に、来場特典は下の帯に置きました。全体が暖色系になっています。
今回は写真だけでなく、コピーや特典の置き方、全体の色味も同時に変わっています。そのため「写真だけの差」とは言い切れない点はご了承ください。
負けたBを、2回作り直した
Bは表示回数がほとんど伸びなかったため、配信から3日で止め、勝ったAはそのまま配信を続けました。そのうえで、Bの負けた理由を見直し、2回作り直しています。

改善版1では、遷移先ページに合わせて上半分を紺系にし、写真を奥行きが出る斜めの角度に、ソファも見えるカットに差し替えました。クリック率は上がったものの、表示回数は伸びず、大きな効果は出ませんでした。
改善版2では、内観写真をやめて間取り図を主役にし、外観写真を小さく添えました。エリア名を目立たせ、背景は明るくしながら、コピーの帯や文字の色は遷移先ページに寄せています。配信の最後の約1週間に出した案です。
結果:間取り図のバナーがクリック率1.00%

| バナー | クリック率(CTR) | 表示回数の伸び | 見学予約 |
|---|---|---|---|
| A 夜景の外観 | 0.78% | よく伸びた | あり |
| B 内観(正面) | 0.41% | 伸びず、3日で停止 | なし |
| 改善版1 内観(斜め) | 0.85% | 伸びず | — |
| 改善版2 外観(小)+間取り | 1.00% | 短い期間でよく伸びた | あり |
クリック率(CTR)は、広告が表示された人のうち、クリックした人の割合です。最初のテストでは、Aのクリック率がBの約1.9倍(+0.37ポイント)でした。最後に出した改善版2は1.00%で、Bの約2.4倍、Aと比べても+0.22ポイント高い結果です。
このテストでは、勝ち負けを「どれだけ表示されたか」を第一に判断しています。改善版1はクリック率こそBより0.44ポイント上がりましたが、表示回数が伸びなかったため、効果は小さかったと判断しました。改善版2は配信が約1週間と短かったにもかかわらず表示回数がよく伸び、見学予約にもつながりました。なお、バナーごとに配信した日数が違うため、表示回数の数そのものは比べていません。
内観写真が負けた理由
バナーと遷移先ページの雰囲気がずれていた
Bは暖色系の室内写真でしたが、クリックした先のページは紺色が基調の夜景の外観でした。バナーと遷移先ページの見た目がずれていると、クリックした人が「思っていたのと違う」と感じて離れやすくなります。Meta広告では、こうした広告は配信が伸びにくくなると考えられます。
平屋の内観は、どうしてもコンパクトに見える
平屋は1部屋が広くなりにくく、リビングを正面から撮ると、奥行きが出ずに小さな部屋に見えがちです。改善版1で角度を変えても表示回数が伸びなかったことから、写真の撮り方よりも「平屋で内観を主役にすること」自体が合っていなかったと考えられます。
コピーと写真が合っていなかった
コピーは「くつろぎ」と「平屋」を伝える内容でしたが、写真の中心はテレビで、ソファなどくつろげる場所はほとんど写っていませんでした。平屋であることも、コピーの中で軽く触れているだけでした。言葉と写真が同じことを伝えていないと、見る人に魅力が伝わりにくくなります。
間取り図のバナーが勝った理由
間取り図は、部屋の数や配置、LDKの広さが一目でわかります。内観写真では狭く見えてしまう平屋でも、間取り図なら「家族で暮らせる広さがある」ことを、見学会に来る前に伝えられます。小さく添えた外観写真で「どんな家か」も同時にわかり、帯の色を遷移先ページに寄せたことで、クリックした後の違和感も小さくなったと考えられます。
私たちが担当した他の住宅会社のテストでも、土地を探している人向けの広告では、地図や区画図を主役にしたバナーのクリック率が、イメージ写真を主役にしたバナーより高かった例があります。「写真で雰囲気を伝える」より「図で中身を伝える」方が響く場面は、住宅の広告では少なくありません。
他の業種でも使えるポイント
- バナーの色味は、遷移先ページに合わせる:「温かみを出したい」などの要望があっても、クリックした先のページと雰囲気がずれると、配信が伸びにくくなります。バナーだけを変えるのではなく、ページとセットで考えます
- 写真で伝わりにくい魅力は、図にする:広さや部屋の配置、店内の席の数やコースの流れなど、写真では伝わりにくいことは、間取り図や図解にすると一目で伝わります
- クリック率だけでなく、表示回数も見る:改善版1のように、クリック率が上がっても表示が伸びなければ、届く人の数は増えません。どの数字で勝ち負けを決めるかを、配信の前に決めておきます
まとめ
平屋の見学会の広告では、温かみを狙ったリビングの内観写真が伸びず、夜景の外観写真のバナーが勝ちました。負けたバナーは2回作り直し、内観写真をやめて間取り図を主役にした案で、クリック率が負けたバナーの約2.4倍になり、見学予約にもつながりました。写真で魅力が伝わりにくいときは、無理に写真で見せようとせず、図で伝える方法も試す価値があります。
アドデザインラボでは、こうしたA/Bテストを毎週続けています。「今のバナーのどこを変えればいいか知りたい」「見学会の予約を増やしたい」という方は、お気軽にご相談ください。
