オープンハウスの広告に、どの写真を使えば見学予約が増えるのか。住宅会社の販促担当の方から、いちばんよくいただくご相談です。今回は、地方の住宅会社のオープンハウス広告で、建物の外観写真とキッチンの内観写真を比べたA/Bテストの結果をご紹介します。
結果は、外観写真のバナーが内観写真の約2倍表示されました。クリック率はほぼ同じだったのに、なぜここまで差がついたのか。理由と、写真素材に自信がないときにできる工夫をまとめます。
テストの概要
| 業種 | 住宅会社(建売住宅のオープンハウス) |
|---|---|
| 目的 | オープンハウスの見学予約 |
| 配信媒体 | Meta広告(Instagram・Facebook) |
| 期間 | 約1週間(配信中の途中経過) |
| 比べたもの | メインの写真(外観/内観)と、コピーの内容・位置 |
AとBで変えたところ

Aパターン(外観)は、青空を背景に建物の外観写真を大きく置いたバナーです。エリア名と「暮らしやすさ」を伝えるコピーを上にまとめ、最寄りのバス停までの徒歩時間を丸い囲みで目立たせています。
Bパターン(内観)は、キッチンの写真を全面に使ったバナーです。家事の動線のよさを伝えるコピーを下に置き、間取りとアクセスを中ほどに入れています。
今回は写真だけでなく、コピーの内容と位置も同時に変わっています。そのため「写真だけの差」とは言い切れない点はご了承ください。
結果:表示回数に約2倍の差

- 表示回数:AはBの約2.05倍
- クリック率(CTR):Aが3.02%、Bが2.95%(差は0.07ポイント)
クリック率(CTR)は、広告が表示された人のうち、クリックした人の割合です。今回はA・Bともに3%前後で、ほとんど差がありませんでした。一方で、広告が表示された回数には約2倍の差がつきました。見学予約の数はまだ集計中のため、この記事では表示回数とクリック率で比べています。
外観写真が勝った理由
「家の広告だ」と一瞬で伝わる
タイムラインを流し見している人にとって、青空と建物の外観は「住宅の広告」だとすぐにわかる組み合わせです。キッチンの写真は、住宅に限らずリフォームや家電の広告にも見えるため、立ち止まってもらうきっかけとしては弱かったと考えられます。私たちが担当した他の住宅会社のテストでも、青空を背景にした外観写真は配信が伸びやすい傾向があります。
広告の配信が、反応のよい方に寄っていく
Meta広告は、配信を始めてすぐの反応がよい広告に、より多くの表示を割り当てる仕組みになっています。クリック率がほぼ同じでも、配信を始めたころの反応の差が積み重なると、表示回数には大きな差がつくことがあります。今回の約2倍の差も、その結果だと考えられます。
内観写真は「暮らし」が想像しにくかった
Bに使ったキッチンの写真は、家具がほとんど置かれていない状態で撮られていました。コピーでは家事の動線のよさを伝えていましたが、写真からは「ここでどう暮らせるか」が伝わりにくく、コピーの魅力を写真が支えきれなかったと考えられます。
写真素材に自信がないときにできること
今回の物件は、外観にも内観にも弱いところがありました。外観は両隣の家が写り込んで建物が埋もれやすく、内観は家具がなく生活感が伝わりにくい状態です。社内でも、今ある素材のままできる改善案を出し合いました。
- 外観を切り抜いて、背景を整える:隣の家や電線を消し、建物だけを空の上に置くと、物件の形がはっきりします
- 内観に家具を足して見せる:家具のない部屋は、画像の加工で家具を置いたイメージにすると、暮らしが想像しやすくなります(実物と違うことがわかる注記は必要です)
- 内観は1枚ではなく、切り替わる動画にする:複数の部屋を数秒ずつ見せるスライドショーにすると、間取りの魅力を1枚より伝えやすくなります
- コピーを「どんな家か」に寄せる:「暮らしやすさ」のような広い言葉より、駅やバス停までの近さ、庭の有無など、その家ならではの特徴を前に出します
他の業種でも使えるポイント
- 最初の1枚は「何の広告か」がすぐわかる写真にする:細かい魅力を伝える写真は、2枚目以降や遷移先のページに回します
- クリック率だけでなく、表示回数も比べる:クリック率が同じでも、表示回数に大きな差がつくことがあります。どちらの数字で勝ち負けを決めるかを、配信の前に決めておきます
- 一度に変える要素は、できるだけ1つに絞る:写真とコピーを同時に変えると、何が効いたのかがわかりにくくなります。原因をはっきりさせたいときは、写真だけ、コピーだけを変えて比べます
まとめ
オープンハウスの広告では、建物の外観写真を使ったバナーが、キッチンの内観写真の約2倍表示されました。クリック率はほぼ同じでも、「家の広告だ」と一瞬で伝わるかどうかが、配信の量を左右したと考えられます。写真素材が理想どおりでなくても、切り抜きや加工、見せ方の工夫で改善できる余地はあります。
アドデザインラボでは、こうしたA/Bテストを毎週続けています。「今の素材でどこまで改善できるか知りたい」「自社のバナーの勝ちパターンを見つけたい」という方は、お気軽にご相談ください。
