バナーの背景色は、どれくらい結果を左右するのでしょうか。今回は、外観の絵もコピーもレイアウトもまったく同じで、背景の色だけが違う2つのバナーを比べた事例です。
地方の住宅会社のオープンハウスの広告で、薄いベージュとピンクの背景のバナーを配信しました。この記事は配信4日目時点の途中経過ですが、すでにベージュの背景のバナーが約4.8倍表示されています。
テストの概要
| 業種 | 住宅会社(完全予約制のオープンハウス) |
|---|---|
| 目的 | 来場予約を増やす |
| 配信媒体 | Meta広告(Instagram・Facebook) |
| 期間 | 約12日間の予定(この記事は配信4日目時点の途中経過) |
| ターゲット | 年齢や興味で細かく絞らない配信 |
| 比べたもの | 背景の色だけ(薄いベージュ/ピンク) |
ご依頼時のご要望は、「夕暮れの写真の案」「青空の写真の案」「要素の少ない案」の3つでした。提出した後、「ピンクの背景の案も見たい」というご要望をいただきました。ただ、建物の雰囲気にピンクが合うか不安があったため、私たちから物件になじむ薄いベージュの案もあわせて作りました。最終的に、夕暮れ・ピンク・ベージュの3案で配信しています。この記事では、背景色だけが違うピンクとベージュの2案を比べます。
AとBで変えたところ

どちらのバナーも、上に英字のイベント名を大きく置き、その下に斜めから見た外観のイメージ図(パース)を切り抜いて置いています。外観は、濃い色の外壁に木目の玄関まわりが映える2階建てです。右にはエリア名の白い丸、下にはサブコピーとロゴを入れました。要素を少なくした、すっきりしたデザインです。
Aパターン(ベージュ)は、背景を薄いベージュにし、文字を濃いグレーにしました。Bパターン(ピンク)は、背景をはっきりしたピンクにし、文字を白にしました。変えたのは、背景の色とそれに合わせた文字の色だけです。
途中経過:表示回数に約4.8倍の差

| バナー | 表示回数(Bを1とした比) | クリック率(CTR) | 男女の割合(表示された人) | 来場予約 |
|---|---|---|---|---|
| A ベージュ | 約4.8 | 2.35% | 男性27%・女性73% | まだなし |
| B ピンク | 1 | 2.06% | 男性25%・女性74% | まだなし |
クリック率(CTR)は、広告が表示された人のうち、クリックした人の割合です。AはBより0.29ポイント高く、表示回数はAがBの約4.8倍でした。このテストでは、勝ち負けを「どれだけ表示されたか」を第一に判断しているため、現時点ではAが優勢です。
表示された人の男女の割合は、どちらも女性が7割強で、ほとんど同じでした。ピンクの方が女性に多く届く、といった偏りは、今のところ見られません。来場予約は、配信4日目の時点ではどちらにもまだついていません。
ベージュが優勢になっている理由
家の雰囲気に、背景の色が合っていた
今回の家は、濃い色の外壁に木目を合わせた、落ち着いた雰囲気の外観です。薄いベージュは外壁や木の色となじみ、家そのものの魅力を引き立てます。ピンクは目を引く色ですが、この家の雰囲気とは合っておらず、写真と背景がちぐはぐな印象になったと考えられます。家の雰囲気に合った配色が大切だということを、改めて確かめる結果になりました。
背景色だけで、配信の量が大きく変わる
Meta広告は、配信を始めてすぐの反応がよい広告に、表示を多く割り当てる仕組みです。クリック率の差は0.29ポイントですが、その小さな差が積み重なり、表示回数では約4.8倍の差になったとみています。写真もコピーも同じでも、背景の色ひとつで配信の量がここまで変わることがあります。
要素を少なくしたことの、よい面と課題
「要素を少なくする」というご要望は、見やすさの面では正しい方向だと考えています。一方で、今回のバナーは外観写真とイベント名が中心で、「どんな家なのか」「中はどうなっているのか」までは伝わりにくい形でした。予約がまだついていないのは、配信が始まったばかりということもありますが、家の特徴がもう一歩伝わる工夫の余地もありそうです。
次に試したい改善案
- 内観のイメージ図を使えるか確認する:今回は間取り図が使えず、外観のイメージ図だけで作りました。遷移先ページにはきれいな内観のイメージ図もあったため、使ってよいかを確認します
- 実績のある型も試す:「青空の外観+エリア名」「内観+エリア名」など、ほかの住宅の広告で成果が出やすい型を試します。エリア名に強みがない場合は、家の特徴を伝えるコピーを主役にします
- 地域の気候に合った家の特徴を伝える:寒さや天候への強さなど、その地域で暮らす人が気にする点を言葉にして、家の特徴として打ち出すことも考えています
他の業種でも使えるポイント
- 背景色は、主役の写真に合わせて選ぶ:目立つ色を選ぶより、商品・店内・建物など主役の写真になじむ色を選ぶ方が、写真の魅力が伝わります
- 色を比べるときは、色以外を同じにする:写真やコピーをそろえて色だけを変えると、色の効果がはっきりわかります。今回のように、1つの要素だけを変えて比べるのがおすすめです
- 要望の案と、プロとしての案を両方出す:ご要望の案に不安があるときは、別の案もあわせて配信して比べると、どちらがよいかを数字で確かめられます
まとめ
オープンハウスの広告で、背景の色だけを変えて比べたところ、配信4日目時点の途中経過で、家の雰囲気になじむ薄いベージュのバナーがピンクのバナーの約4.8倍表示されています。写真もコピーも同じでも、背景の色ひとつで配信の量が大きく変わることがわかります。配信が終わり次第、予約の結果もあわせて確認していきます。
アドデザインラボでは、こうしたA/Bテストを毎週続けています。「バナーの色をどう決めればいいか迷っている」「オープンハウスの予約を増やしたい」という方は、お気軽にご相談ください。
