住宅会社の集客イベントは、家づくりの相談会だけではありません。今回ご紹介するのは、父の日に合わせて、モデルハウスでプロのカメラマンに家族写真を撮ってもらえる、参加無料の撮影会です。まずは気軽にモデルハウスへ来てもらうきっかけを作るためのイベントでした。
この撮影会の広告で、父の日の小物のイラストを散りばめた、にぎやかなバナーと、家族のイラストを使った、穏やかな雰囲気のバナーを比べました。クリック率はほぼ同じでしたが、にぎやかなバナーが約2.9倍表示されました。
テストの概要
| 業種 | 住宅会社(モデルハウスでの父の日の家族写真撮影会) |
|---|---|
| 目的 | イベントのページを見てもらう(ページの表示数を増やす) |
| 配信媒体 | Meta広告(Instagram・Facebook) |
| 期間 | 約1週間(改善版は後半4日間のみ) |
| ターゲット | 20代後半〜40代半ばの男女 |
| 比べたもの | 全体の雰囲気(配色・イラスト)と、父の日のサブコピーの目立たせ方 |
今回の広告の目的は、来場予約ではなく、イベントを案内するページを見てもらうことでした。そのため、成果はクリックした先のページが表示された数で見ています。また、ご依頼時に「住宅会社らしさを出さないデザインにしたい」というご要望があり、どちらのバナーにも家の写真は使っていません。
AとBで変えたところ

Aパターン(にぎやか)は、白地に水色と黄色の水玉を散らし、帽子・眼鏡・蝶ネクタイ・シャツなど、父の日を思わせる小物のイラストを四隅に置いたバナーです。イベント名は赤の特大の文字で2行にし、父の日のサブコピーはその上のリボン型の帯に入れて目立たせました。
Bパターン(穏やか)は、ベージュの地に、父・母・赤ちゃんの家族のイラストと花のイラストを置いたバナーです。イベント名は落ち着いた緑の文字で1行にし、父の日のサブコピーは家族のイラストの横に、手書き風の小さな文字で入れました。
イベント名・開催日・参加条件など、入っている文字の内容はほぼ同じです。全体の雰囲気を変えたため、配色・イラスト・文字の置き方が同時に変わっています。
結果:クリック率はほぼ同じ、表示回数は約2.9倍

| バナー | 表示回数(Bを1とした比) | クリック率(CTR) | ページの表示数(Bを1とした比) | 男女の割合(表示された人) |
|---|---|---|---|---|
| A にぎやか | 約2.9 | 1.18% | 約2.9 | 男性34%・女性66% |
| B 穏やか | 1 | 1.16% | 1 | 男性27%・女性72% |
| 改善版(後半4日間) | 約2.2 | 1.01% | 約1.8 | — |
クリック率(CTR)は、広告が表示された人のうち、クリックした人の割合です。AとBの差は0.02ポイントで、ほとんど変わりません。一方で、表示回数はAがBの約2.9倍になり、目的だったページの表示数も同じく約2.9倍でした。このテストでは、勝ち負けを「どれだけ表示されたか」を第一に判断しています。
表示された人の男女の割合を見ると、どちらも女性が多いものの、Aの方が男性の割合が7ポイントほど高くなっていました。
にぎやかなバナーが勝った理由
「父の日のイベント」だとひと目でわかった
Aは、帽子や眼鏡、蝶ネクタイといった小物と、目立つ帯のサブコピーで、「父の日のイベントだ」とすぐに伝わります。Bは家族のイラストで温かさは出ていましたが、父の日のサブコピーが小さく、何のイベントかが伝わるまでに少し時間がかかったと考えられます。開催日が父の日だったので、父の日の記念になるという切り口はもっと前に出してよかったと振り返っています。
明るい配色が、イベントの楽しさに合っていた
Bのベージュと緑は、上品で落ち着いた配色です。ただ、家族そろって楽しむイベントの広告としては、少しおとなしい印象になりました。Aの白地に赤・青・黄色を使ったにぎやかな配色の方が、タイムラインの中で目に留まり、イベントの楽しさにも合っていたと考えられます。
「撮影会」を思わせる絵がどちらにもなかった
一方で、AとBどちらも「撮影会」という文字は大きいものの、カメラや写真を撮っている場面のような、撮影会を連想させる絵がありませんでした。クリック率がどちらも同じくらいにとどまったのは、イベントの中身がもう一歩伝わりきらなかったからかもしれません。
負けたBを、明るい配色で作り直した

Bの家族のイラストを生かしつつ、背景を白と明るい青の2色にし、ペットも加えたにぎやかなイラストに変えました。父の日のサブコピーは目立つ丸の中に入れ、文字の情報は下にまとめています。配信の後半4日間だけの配信でしたが、表示回数は約1週間配信したBの約2.2倍になり、負けたBよりは改善しました。ただし、クリック率は1.01%で、AとBより下がっています。
次に試したい改善案
- 撮影会だとわかる絵を入れる:カメラのイラストや、写真を撮っている場面を加え、「何をするイベントか」を文字に頼らず伝えます
- どこで撮れるかを見せる:「住宅会社らしさを出さない」デザインが別の案件でうまくいったこともありますが、すべてに当てはまるわけではありません。今回は、モデルハウスの外観や内観を小さく添えて、「すてきな家の中で撮れる」ことを伝えるのも手です
- 父の日の切り口を、さらに前に出す:開催日が父の日であることを、イベント名と同じくらいの強さで見せます
他の業種でも使えるポイント
- 季節の行事は、小物で一瞬で伝える:父の日・母の日・クリスマスなど、行事に合わせたイベントは、その行事を象徴する小物を入れると、文字を読む前に何のイベントかが伝わります
- イベントの雰囲気と配色をそろえる:楽しいイベントは明るくにぎやかに、落ち着いた相談会は穏やかに。上品な配色が、いつも正解とは限りません
- 男女の割合も確認する:配色やイラストで、広告が届く人の男女の割合が変わることがあります。届けたい人に届いているかを、表示回数と合わせて見ます
まとめ
父の日の家族写真撮影会の広告では、父の日の小物のイラストを散りばめたにぎやかなバナーが、穏やかな雰囲気のバナーの約2.9倍表示され、イベントのページの表示数も約2.9倍になりました。クリック率はほぼ同じでも、「何のイベントか」がひと目で伝わるかどうかと、イベントに合った明るい配色が、配信の量を左右したと考えられます。
アドデザインラボでは、こうしたA/Bテストを毎週続けています。「季節のイベントの広告をどう作ればいいか迷っている」「モデルハウスに来てもらうきっかけを増やしたい」という方は、お気軽にご相談ください。
