A/B TEST #005 住宅・不動産 #コピー#写真#色

住宅会社のバナー事例|表示回数約2.4倍でも、予約がついたのは負け案

バナーのA/Bテストでは、「たくさん表示されたバナー」と「予約につながったバナー」が一致しないことがあります。今回ご紹介するのは、地方の住宅会社の完成見学会の広告で、そのずれがはっきり出たテストです。

表示回数とクリック率では、暗い背景に斜めから撮った外観写真を置いたAが勝ち、表示回数はBの約2.4倍になりました。ところが、見学予約がついたのは負けたBの方だけでした。この結果をどう読み、次のバナーにどう生かすかをまとめます。

テストの概要

業種住宅会社(注文住宅の完成見学会)
目的見学会の来場予約
配信媒体Meta広告(Instagram・Facebook)
期間約2週間
比べたもの背景の色、メインコピーの内容、外観写真の撮り方(斜め/正面)

趣味の部屋と吹き抜けのリビングが特徴の家を、期間限定で公開する見学会の広告です。A・Bとも、外観写真・エリア名・開催日・予約特典の帯という要素は同じで、見せ方を変えています。

AとBで変えたところ

AパターンとBパターンのレイアウト比較。Aは暗い背景に、暮らし方を伝えるメインコピーと、斜めから撮った外観写真を大きく置いている。Bは淡い暖色の背景に、見学会の体験を伝えるメインコピーと、正面から撮った外観写真を置いている
実際のバナーをもとに、レイアウトと要素の大きさだけを再現した図です

Aパターンは、暗い石目調の背景に、斜めから撮った外観写真を大きく置いたバナーです。メインコピーは、ひとりで過ごす時間と家族で過ごす時間の両方を楽しめる、という「その家での過ごし方」を伝える内容にしました。

Bパターンは、淡い暖色の背景に花びらのあしらいを散らし、正面から撮った外観写真を置いたバナーです。メインコピーは、見学会で家の大きさを実際に体感できる、という「見学会で体験できること」を伝える内容にしました。

今回は背景の色・コピー・写真の撮り方を同時に変えているため、「どれか1つだけの差」とは言い切れない点はご了承ください。

結果:表示とクリックはA、予約はB

結果のグラフ。クリック率はAが2.07%、Bが1.51%、参考の内観バナーが1.51%。表示回数はBを1としたときAが約2.4倍、内観バナーが約1.2倍
バナー表示回数(Bを1としたとき)クリック率(CTR)見学予約
A 暗い背景×斜めの外観約2.4倍2.07%なし
B 淡い背景×正面の外観11.51%あり
参考:内観写真のバナー約1.2倍1.51%なし

クリック率(CTR)は、広告が表示された人のうち、クリックした人の割合です。Aはクリック率でもBを0.56ポイント上回り(約1.4倍)、表示回数・クリック率の両方で勝ちました。このテストでは勝ち負けを「どれだけ表示されたか」を第一に判断しているため、判定はAの勝ちです。

一方で、見学予約がついたのはBだけで、配信を始めた翌日には予約が入っていました。ただし予約の件数はごく少なく、「Bの方が予約につながりやすい」とまでは言い切れません。それでも、表示回数だけを見て「Bは失敗」と片づけるのはもったいない結果です。

なお、同じ時期に内観写真を使ったバナーも配信していましたが、クリック率はBと同じ1.51%で、予約にはつながりませんでした。

Aが多く表示された理由

斜めの外観で、家が大きく立体的に見えた

正面から撮った外観は、家が四角く平たく見え、実際よりコンパクトな印象になりがちです。Aは斜めから撮った写真で奥行きが出ており、暗い背景の中で建物がくっきり浮かび上がります。スマホで流し見している人の目を止めやすかったと考えられます。

「どんな暮らしができるか」がコピーで伝わった

Aのコピーは、趣味の部屋と吹き抜けのリビングという間取りの特徴を、ひとりの時間と家族の時間という、暮らし方の言葉に置き換えていました。見学会にまだ興味がない人にも、「こんな暮らしができる家」として受け取ってもらいやすかったと考えられます。

Bが伸びなかった理由と、予約がついた理由

遷移先ページと見た目がずれていた

Bの淡い暖色のデザインは、クリックした先のページ(遷移先ページ)の雰囲気と差がありました。バナーと遷移先ページの見た目がずれていると、クリックした人が「思っていたのと違う」と感じてすぐに離れやすくなります。Meta広告では、こうした広告は「質の低い広告体験」と判断され、配信が伸びにくくなると考えられます。

コピーが少しわかりにくかった

「家の大きさを体感できる」ことを伝えるBのコピーは、言葉が抽象的で、何をどう体感できるのかが一瞬では伝わりにくい表現でした。もっと具体的なコピーにすれば、クリック率も上がる余地があったと考えています。

それでも「見学会に行きたい人」には届いた

Bのコピーは、見学会で何ができるかをはっきり伝えるものでした。表示される人数は少なくても、クリックした人の中に「実際に見に行きたい」と考えている人が多かった可能性があります。広く目を止めるのはA、見学会への行動を後押しするのはB、と役割が分かれた結果とも読めます。

参考:内観のバナーは、写真の間の文字で見づらくなった

同時に配信した内観のバナーは、上に吹き抜けの写真、下にリビングの写真を置き、その間にコピーを挟んでいました。写真が文字で上下に分断されると、視線があちこちに動いてしまい、どちらの写真の魅力も伝わりにくくなります。別の住宅広告のテストでも、写真を挟んで文字を上下に分けたレイアウトは、文字を上にまとめたレイアウトに負ける傾向がありました。

次に試したいこと

  • 遷移先ページの最初の画像をBに寄せる:Bで予約がついたことを踏まえ、遷移先ページの最初の画面の写真を差し替えて、バナーとのずれをなくす提案をします
  • コピーを具体的にする:「何を」「どう」体感できるのかがひと目でわかる言葉にします
  • Aの見せ方で予約まで取れるか確かめる:表示が伸びるAの構成のまま、見学会の中身が伝わるコピーを組み合わせた案を試します

他の業種でも使えるポイント

  • 表示回数と予約の両方を見る:表示回数で勝ったバナーが、必ず予約を取ってくるとは限りません。負けたバナーに予約がついていたら、その理由を考えると次の改善のヒントになります
  • バナーと遷移先ページの見た目をそろえる:色や写真の雰囲気がずれると、配信が伸びにくくなると考えられます。バナーを作るときは、クリックした先のページとセットで考えます
  • 写真を文字で分断しない:店内や施術の写真を複数使うときも、文字は上か下にまとめ、写真の間に挟まないようにします

まとめ

完成見学会の広告で、暗い背景に斜めの外観写真を大きく置いたAが、表示回数で約2.4倍、クリック率でも約1.4倍となり、テストの判定では勝ちました。一方で、見学予約がついたのは負けたBだけでした。表示回数で勝ち負けを決めつつも、予約がついたバナーの良いところを拾い、遷移先ページやコピーの改善につなげることが大切です。

アドデザインラボでは、こうしたA/Bテストを毎週続けています。「表示はされるのに予約が増えない」「どの数字でバナーを判断すればいいかわからない」という方は、お気軽にご相談ください。

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WRITER アドデザインラボ編集部 アドデザインラボ編集部 毎月200件以上のバナー広告を制作する、ワンクルーズのデザインチームが運営しています。 住宅・フィットネス・クリニックなど、さまざまな業種で毎週A/Bテストを行い、「何を変えたら、どれだけ変わったか」を現場のデータとともにお届けします。